ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

THE YELLOW MONKEY新曲「ホテルニュートリノ」

THE YELLOW MONKEYの新曲は、
wowow趣里主演「東京貧困女子。」主題歌だった。
第一話は趣里扮するシングルマザーが貧困に陥った
国立医大生を取材するという話だった。
成績優秀で堅実勤勉な女性が何故風俗に陥って仕舞ったのか、
何不自由なく裕福に暮らしていた母子が何故今
我慢を強いられる生活をしているのかという疑問、
重いテーマだけれど続きがとても気になる興味深いドラマだ。
主題歌「ニュートリノ」は、エンディングに短く奏でられるのだけれど、
ザリザリと不穏に響いてくる感触にゾクッとした。
THE YELLOW MONKEY公式ホームページで公開されたのは
歌詞のみで音源は、全曲では無かった。

ニュートリノ
目に見えずどんな物質をも通り抜けてしまうけれど確かに存在するという
ニュートリノ」という物質。
避けようのない厳しい現実に心折れそうになりながらでも、
心の奥にずっと大切に仕舞って置きたいモノ、
あなたという愛する存在。
やるせない今日という現実をやり過ごし、
また重い朝を迎えながらも、心は「煌めく太陽」の下、
あなたと「抱き合う」「ホテルニュートリノ」を夢見る。
切なく痛く甘やかな最上級のTHE YELLOW MONKEY節だ。
咽頭ガンを患った後の吉井和哉の歌声は以前より少し高く細く感じられるけれど、
このドラマの背景にある都会の孤独とか不安定さがより増しに
不穏にも響いて来るようで、待ち続けてきたTHE YELLOW MONKEYの新曲が
コレでとても嬉しい。
早く全曲を聴かせて欲しい。
PVがどう表現されるのか楽しみでならない。
そしてこの曲がLIVEでどう演じられるのか、本当に待ち遠しい!

 

 

『スタジオが燃えている ロック・バンドのディレクター』宗清裕之

全336ページ中、第4章の「イエロー・モンキー」は101ページと3分の1を占めている。
宗清さんがコロンビアレコードでトライアドレーベルへ所属する経緯から始まって、
イエロー・モンキーの「Bunched Birth」カセットを聴いたのが初めての出逢い。
大宮フリークスでの対バンライブで衝撃を受け、即獲得を心に決めたという下りに、
1991年のあのTHE YELLOW MONEYの面々のLIVEが
荒削りながら眩い程のオーラを放つ若々しいメンバー達の出で立ちや音や興奮が
読んでいる私にも感じられるように思えた。
デビューアルバム「THE NIGHT SNAILS AND PLASTIC BOOGIE
(夜行性のかたつむり達とプラスチックのブギー)」レコーディングの状況。
メンバーの凄まじいこだわりとそれを極力実現してくれようとする
宗清さんの心配りがあったことを知った。
文中にも書かれていたけれど、THE YELLOW MONKEYがトライアドを離れてから
出された「TRIAD YEARS」に付録されていた宗清さんの解説パンフレットは、
当時の私のバイブルだった。
CDを聴きながら宗清さんの一曲毎の解説を読み、歌詞を嚙み締める、
本当に贅沢な時間だったと懐かしく思い出す。
1stアルバム、2ndアルバムと思うほど伸びず、
周囲の圧もある中で、当時の吉井和哉が開き直ったかのように、
コンセプトアルバム「jaguar hard pain1944-1994」を作り
LIVEの動員も増えて行った下りは、凄くワクワクした。
雑誌でもよく語られていた「中野の喫茶店での重要な話し合い」の詳細。
それがTHE YELLOW MONKEYというバンドにとって大きな転機と為ったのだろうと思う。
私は、アルバム「SICKS」や「jaguar hard pain1944-1994」「8」
「FOUR SEAZONS」が大好きで正直「smile」にはあまり思い入れがないのだけれど、
それでも「Love Communication」はポップで力のある曲だと思う。
吉井和哉を叱咤激励してあの曲を産み出させてくれた宗清さんはじめトライアドの方々に感謝!
そして「JAM」発売までの道のりの困難さ。
「JAM」の歌詞については、私も長年宗清さんと同意見だ。
何故世の中の人があの「乗客に日本人はいませんでした」ばかり取り上げるのか疑問でならない。
歌の主題は「こんな夜は逢いたくて・・・・・・君に逢いたくて また明日をを待っている」なのにね。
移籍については、宗清さんがこの本を書くに当たって
過去を総括して一つの答えを得られたそうで良かったと思う。
生れたての雛が大きくて力強い親鳥から、沢山の指導や経験や愛を与えられ成長し、
そして自らの新天地を目指し巣立った。そういう道のりだったのだと思う。
THE YELLOW MONKEYデビューからレコード会社移籍までの
激動の時代を共に駆け抜けた宗清裕之さん、
こうして歴史を綴って本にして下さって感謝します。

 

 



吉井和哉「○か×」

f:id:jovanna:20211202103858j:plain

www.youtube.com

吉井和哉の新曲「○か×」がデジタルリリースされた。
前作「みらいのうた」が優しく切ない曲調だったのとは対照的なロックチューン。
前作に続き、現代美術作家・興梠優護が担当した配信ジャケットは、
吉井和哉本人の手をモデルに描き下ろされたのだそうだ。
吉井和哉の手は、塑像にしたい程に美しいけれどその掌には、傷痕があるのだよね。
『○か×という対極にある選択肢は人生において表裏一体というテーマ』

だそうだけれど、この手のジャケットだけでも現れているのだね。
そしてMV。

映像作家の田辺秀伸が監督を務めたこのMVでは、
『“人生”という概念を擬人化した2人の男性の物語が描かれる』のだそうだ。
善か悪か、光か闇か、美か醜か、喜か悲か、対極的な二つの魂が時に相反し、

惹かれ合い、物語を紡いでいく、人生そのもののように感じられた。
バス停のベンチに座る吉井和哉が渋くて良い。
若かりし頃の絶世の美貌が今は、皺も滲みも増えた枯れた風貌だけれど、
重ねた年輪が趣を増してイイ貌だなあと思った。

 

「○か×」吉井和哉

 

失ったあの日から 運命の内側に
小さな棘が刺さっている そして今日も生きている

自分試しの恋に 僕は明け暮れた
強まるゲリラ豪雨の中で走ってた
これじゃない

明日になってわかるような 答えなんてどうでもいいさ
愛ならそれが愛なら
くれよくれよ 当たるまで
○か×かで 決めてばっかり

やりたいことをやり過ぎて
△だらけの人生
あれは本気 これも本気
飛び込む先は 泥でした

長いところを伸ばしなよと言うけれど
短いところを長くすればいいのになと
思わない?

飼い慣らされたケモノなら どこでだってやってけるさ
いいならそれでいいなら
食えよ食えよ 餌をくれ
牙がポッキリ

誰かの真似で増えただけの○なんか
いつかは巨大な×の中でひしめいた
ビー玉

誰もがそれを正しいって 言えるような答えはないさ
勇気が それがないなら
消えろ消えろ あの世まで

あなたがそれを美しいって言えるなら それでいいさ
さいならそれじゃさいなら
夢よ夢よ 果てるまで
○か×かで 決めてばっかり
捨てちまったら 全部すっきり

 

 

 

吉井和哉 「 みらいのうた」

8月2日に一分間のディズニープラスのCMでこの曲を知った。
心地よい印象的なサビ、期待が高まっていた。
そして今日、この「みらいのうた」 (Lyric Video)に捕まった。
吉井和哉の歌声は、何て優しいのだろう。
切なさと儚さが襲ってくる。
誰もが持つ過去の傷や痛みを刺激しつつも、優しく癒やしてくれるような。

吉井和哉にしか紡ぎ出せない詞の世界、歌声。
やはり私は、どうしようもなく吉井和哉が好きです。

 

 『いつかここから消えるなら 今日もただ歌おう

いろいろんなこと 知ってしまう後も

君と僕を繋ぐ メロデイになるなら 怖くはない

未来の歌 いつか叶え 未来の歌』

 


www.youtube.com

 

 

 

「みらいのうた」吉井和哉

何もかも嫌になった こんな時何をしよう
信じてたあの人も しょうもない嘘ついた

小さな部屋の隅でギターを弾きながら
心の形に溜まっていく吸い殻よ

いつか全てが変わるなら今日もただ歌おう
いろいろいろんなこと知ってしまう前に
僕の過去は僕のメロディになるから
怖くはない 未来の歌

行き先が変わる時 訪れる
強い痛み

幼い記憶だから寂しく思うけど
貝殻に耳を当てながら見た海よ

君が笑顔になるのなら今日もただ歌おう
怒りもあるならば素直に出せばいい
この場所のここからたまらなく好きだよ
狭いベッドがステージになる

柔らかい風が頬を撫でる
果てしなく続いてく若草よ

いつか全てが変わるなら今日もただ耐えよう
何度も何度でも立ち上がってみせるよ

いつかここから消えるなら今日もただ歌おう
いろいろいろんなこと知ってしまう後も
君と僕を繋ぐメロディになるなら
怖くはない 未来の歌
いつか叶え
未来の歌

 

 

 

「東京ドーム公演」に替わる新規4公演決定

「東京ドームf:id:jovanna:20200701095630j:plain

生活が激変してしまい満足に活動を追えなくなってしまった私が

このブログを書くことに躊躇いも感じています。

でも、私の記録として残したいと思うのです。

中止になるだろうと半ば諦めかけていたLIVEは、THE YELLOW MONKEY所縁の

LIVE会場4公演への振り替えになると発表されました。

 

吉井和哉のコメントの、『4月の東京ドームが出来ないとなってから、

時がとまったままでした。』や、

『これからの生き方を切り開いていかなければなりません。』の言葉から、

どれほど重い決断だったかが伺われます。

振り替え公演は11月から12月。

その頃は、この状況が落ち着いていることを望みます。

メンバー、関係者、そして彼らのファン、

『当日は皆が笑顔になれるように』

『このロックバンドのわがままをお許しください。』

この文字を目にして涙しました。

私は、THE YELLOW MONEYというロックバンドを誇りに思います。

たとえ当日、会場には集えなくとも、LIVEの成功を祈ります。

灰色の世界に唯一希望の光を灯してくれる

THE YELLOW MONEYという存在を愛しています。

 

 

 

「9999」発売

THE YELLOW MONKEY19年ぶりの新アルバム「9999」を手にした。

3年前の再集結からずっと早く新アルバムをと願って来たけれど、

待ち遠しかったのは勿論だったが実をいうと、

今現在のTHE YELLOW MONKEYが世に送り出すアルバムというものが、

もし自分の望むものでは無かったら?という不安もあった。

そして再集結後に発表された楽曲が多く収録されていることが、

アルバム全体としてどうなのだろう?

浮いてしまっていないだろうかなどと案じていた。

杞憂だった。

まず一曲目「この恋のかけら」。

2000年に出されたアルバム「8」のラスト「峠」から

辿り着いた曲。

「峠」は、これまで私のTHE YELLOW MONKEY最愛曲ベスト3の曲だ。

満身創痍の身体で焼野原を歩み去っていく4人の男達の

モノクロームの情景をずっと心に刻み付けてきた。

「この恋のかけら」に描かれている”冬になると・・・行き止まりになる”道。

でも”春になると・・・人だかりができる”道。

私も知っている場所がある。

大きな木々の向こうには遥か険しい剣岳がそびえ雪に閉ざされる。

でも春から夏には、称名滝を訪れる人々で賑わう。

もうモノクロームの世界ではない。

厳しい自然の中に生きている人間のぬくもりと息づかいを感じる。

そのことがとても嬉しかった。

2曲目「天道虫」

改めて格好イイ。ここに入っていて違和感がないのが凄いと思った。

3曲目「Love Homme」

流石吉井節!ライブ映えするだろうなあ。

4曲目「Stars(9999 Version)

「Stars」は、あまり思い入れのない曲だったのだけど、

アルバムの中でここにあると印象が変わった。良いじゃないか!

「Breaking The Hide」

菊地英昭エマの曲。エマが作った曲で吉井和哉の紡ぐ詞。

これを待っていた!

「ロザーナ」

既存の曲がアルバムにあって浮いてない。しっくり来ている。

これに感動。

「Changes Far Away」

”Changes Far Away

忘れないで

遠くにあるのはきっとキレイな月”

思いがけずここで涙してしまった。

ありがとうございます。柔らかな心を取り戻せそうです。

「砂の塔」

ドラマ主題歌として作られたというのに、

バンドやメンバー個々や聴いている我々自身にも

当てはまるような不安や葛藤を投げかけてくる曲。

この曲が生まれたのは大きいと思う。

「Balloon Balloon」

歌詞といい曲といい弩ストライク!これぞ待っていた!

iTunesでバッキングトラックを聴いたが、最高だ。

「Horizon」

この曲に出会えて幸せです。

活動休止発表、解散宣言、あの時の辛さを乗り越えて、

メンバーそれぞれの動向に一喜一憂して、

気づけば19年?長いようでもあり短いようでもあり、

ずっと私にはTHE YELLOW MONKEYが支えでした。

「Titta Titta」

私も”魔法の呪文”唱えます。

「ALRIGHT」

3年前初めて「ALRIGHT」に触れられた時の、

世界が鮮やかな色に変わったあの衝撃、喜びの大きさは、

言葉に尽くせません。

「ALRIGHT」を聴くと元気になれるんです。

「I don‘t Know」

歌詞もメロデイも演奏も何から何までど真ん中。

ドラマ主題歌だけじゃない強さを持った曲だと思う。

総括

「9999」は、THE YELLOW MONKEY史上最高のアルバムだ!

 

 

 

「THE YELLOW MONKEY SUPER メカラ ウロコ・29 -FINAL-」

生配信を観ることが出来た。
黒のスパンコールにサングラス姿の吉井和哉が画面に映し出される。
一曲目のイントロ、電子音?
“人工的な秘部(皮膚)”「ジュデイ」だ!
衝撃が襲う。
メカラウロコ8のオープニングのあの「ジュデイ」では、
あんなにも張りつめて危うくて怖くさえ感じたこの曲が、
今はこれほど迫力ある妖しさ満点に鳴っている。
続いて「サイキック No.9」。
間に「A HENな飴玉」「Oh! Golden Boys」を挟んで、
「STONE BUTTERFLY」
「DEAR FEELING」
GIRLIE」と続く。
「8」の楽曲たちだ。
2000年、スプリングツアーの頃に私が感じていた不安感、
アルバム「8」発売、
スリリングだった夏フェス達、活動休止発表の驚き。
そして迎えたメカラウロコ8大阪ドームと東京ドーム。
「8」の頃感じた混沌がグワーッと押し寄せてきた心地がした。
けれど、2018年、今のTHE YELLOW MONKEYが奏でる
「8」の曲達にもうあの悲壮感は感じなかった。
やっぱり凄く好きだ。
長年私が抱えてきた怨念にも似た情念がただ純粋な愛に
昇華できたように思えた。
「埴輪」と「土偶」の違いをEMMAさんとアニーが解説してくれて、
銀テープが飛んで、そのしょーもなさに、
これぞTHE YELLOW MONKEY!と、ほっこりしていたら、
いきなりのイントロにズギュン!
「遥かな世界」。
私は、どれほどこの曲を生で聴きたかったことだろう!
何度もここに書いて来たけれど、
我愛するTHE YELLOW MONKEYベスト3の曲。
「遥かな世界」「球根(BLUB)」「峠」。
「球根はこれからも聴けることはあるだろう。
「峠」は、もうないかもしれないと思う。
「峠」の情景が年月を経て、メンバーの旅を経て、
「Horizon」へと繋がったのではないかと感じているから。
PC越しではあるけれど、「遥かな世界」を聴けて
本当に幸せだった。
昭和のシャッター街の曲が続く。
「I CAN BE SHIT,MAMA」大好きだ。
「天道虫」これは威力のある曲だ。
113本全部で演ったという「離れるな」。
欲を言えば、EMMAさんとロビンの頭ぐりぐりが見たかった。
アンコールの一曲目、「毛皮のコートのブルース」。
ここに持ってくるとは、憎いねえ!
最後の最後に新曲「I don’t know」。
これは凄く惹きつけられた。
また昔のように歌詞を書き起こして、
何度も何度も味わいたくなる曲だと思った。

FINALと名打たれたメカラウロコに参加することが出来ない事を
悲しんでいたけれど、生配信して下さって本当に感謝です。
私にとっては、これが最高のメカラウロコだと断言出来ますので、
どうか一日も早く円盤化して下さい。
お願い致します。


1. ジュディ
2. サイキック No.9
3. A HENな飴玉
4. Oh! Golden Boys
5. STONE BUTTERFLY
6. DEAR FEELING
7. GIRLIE
8. This Is For You
9. DONNA
10. 仮面劇
11. 遥かな世界
12. 月の歌
13. 薬局へ行こうよ
14. I CAN BE SHIT, MAMA
15. 天道虫
16. 甘い経験
17. SUCK OF LIFE
18. 離れるな

ENCORE

19. 毛皮のコートのブルース
20. 街の灯
21. 真珠色の革命時代 (Pearl Light Of Revolution)
22. おそそブギウギ
23. アバンギャルドで行こうよ
24. 悲しきASIAN BOY
25. I don’t know