ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

あなたがいなけりゃ

BSで放送された、86年クイーン・ライブを観た。
私は昔、クイーンで一番美しいのはロジャー・テイラー
次にブライアン・メイ、ジョン・ディーコンも整った顔立ちだし、
フレデイは正直、難点があると思っていた。
けれど、このライブは私の一番苦手な筈の、短く刈り上げた髪+
ぶ厚い口髭にも関わらず、何とフレデイのステージ姿の美しい事だろう!
高く振り上げる腕、深く仰け反る背筋の強さ、軽やかなマイクスタンド捌き、
ポーズの一つ一つがピタッと決まっている。
迫力のある、その表情もこの上なく美しい事に気付いた。
私は、これ見よがしの胸毛が非常に苦手なのだけれど、
不思議だ!フレデイは大丈夫だった。否、大丈夫に為った。
「WE ARE THE CHANPIONS」でピアノを弾く上半身裸のフレデイは
本当に美しかった。
ビデオが終わって、今度「フレディ・マーキュリー追悼コンサート」のDVDを観た。
凄い顔ぶれだ。ロバート・プラントデヴィッド・ボウイ、ミック・ロンソン、
イアン・ハンター、アクセル・ローズetc.
大物アーティストの面々のバックで演奏するフレディ・マーキュリー以外の
クイーンを見ていると、何故この場にフレデイが居ないのか?
何故フレデイの歌声が聴けないのか?と心底思ってしまう。
だって、これだけの凄いロック・ミュージシャン達がブライアン・メイのギターで
ジョン・ディーコンのベースで、ロジャー・テイラーのドラムで
唄ったり演奏したりしてるんだよ?
この場所にフレデイが居てくれたら、どんなに素晴らしいのに!と思わない?
華やかで、この上なく豪華なステージだからこそ、とても淋しく思えた。

そして、「すべての若き野郎ども」と「ヒーローズ」で、イアン・ハンター、
デヴィッド・ボウイと共演したミック・ロンソン…この人は、ロック・シンガー
吉井和哉誕生の生みの親、とも言うべき人である。
この1992年4月の追悼コンサートの約1年後1993年4月29日には、肝臓ガンで
世を去る事になるのだけれど、追悼コンサートの時には、
既に病魔に冒されていたのだろう。
ステージ上のロンソンの姿は美しく、華麗なギターを響かせてくれたけど
今見ると、とても痛々しく思える。病気と闘いながら、ソロ・アルバム
「Heaven And Hull」の制作に取り掛かっていたらしい。
もっともっと生きていて欲しかった。
フレデイがもし今も生きていたら、どんなに素晴らしい曲を作り出して
呉れていた事か!
ミックも病魔に侵される事がなかったら、あの優しく暖かな歌声と美しいギターを
もっと聴かせてくれていただろうに。繰り言に過ぎないけれど。