ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

エディー&ザ・クルーザー ズ

CSで「エディー&ザ・クルーザー ズ」という映画を見た。
60年代、若者達に熱狂的な人気を博したエディー&ザ・クルーザー ズという
ロックバンドがあった。
そのカリスマヴォカリスト、エディは2枚目のアルバムレコーディング直後、
車ごと橋から転落して亡くなった。
それから十数年後、彼らの曲がリバイバルヒットした事で、
未発表の曲を巡って、“詩人”と呼ばれた男の旅が始まった。
マイケル・パレ扮するエディのライブのシーンが凄く良い。
「エディー&ザ・クルーザー ズ」は映画の中だけの存在だと判っているのに、
彼らのライブを存分に観たいと思って仕舞う。
問題の曲は「地獄の季節」という題名なのだけれど、これが凄くイイんだ。
全曲きちんと聴きたかった。
途中、詩人がキーボードを弾きながらたどたどしく自作の曲をバンドのメンバーに
聞かせる場面があるのだけれど、殆どが駄作とこき下ろす中で、
エディだけがその原石の煌きを見つけて曲をつけて歌いだす。
そうしてサックスが1フレーズを奏で、ベース、ドラム、ギターと
次第に音楽が作られていく場面がとても心に響いた。
エディが“詩人”と仲たがいをした時、自分の人差し指の上に中指を乗せて、
『詞と音楽が必要だ。』と叫ぶシーンで、イエローモンキーというバンドを
思わずにはいられなかった。
映画では、“詩人”が遂に見つけ出したテープはメディアに取り上げられ、
時を越えて再び若い世代の爆発的な支持を受ける。
街頭テレビでその映像を見ていたのは
死んだ筈のエディだというラストだった。
絶対的な自信を持って作った音楽を、レコード会社側に商業的な価値だけで否定され、
決裂し、自分を消すという選択にまで追い詰められてしまった彼・・・
年月が過ぎて、自分の音楽が大衆に喝采を受けるのを見て、どう感じたのだろう。
「自分は早すぎた。」と思うのだろうか。
それとも「何故、続けなかったんだろう。」と思うのだろうか。

昨日出た、ヒーセのアルバムをまた聴いている。
「ならず者アイムソーリー」は過去を懐かしんでいるだけの曲じゃあないよね。
手放せない大事なものを慈しんで、そうして未来へ歩いて行こうとする者への歌だよね。
私はそう受け取った。
ヒーセのソロは今始まったばかり。吉井和哉のソロはまだ実態も掴めない。
だけど、メンバー皆の“今”はきっと“未来”に繋がっている。
伝説のバンド・・・そんなものにならなくて良い。
THE YELLOW MONKEYは今も続いている!