ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

[☆]永遠  

昨日の朝、『レスリー・チャン、ホテルから転落死。自殺か !?』の
第一報を知り、まず最初に浮かんだのは、「老いへの怖れか?」という事だった。
私は、彼のファンという訳では無かったし、観た映画は「覇王別姫」と
ブエノスアイレス」くらいだった。それでも「覇王別姫」で演じた女形の妖艶な美しさ、
哀しさや「ブエノスアイレス」のゲイ役のキュートさ、切なさがとても上手い役者さんだと
思っていた。
THE YELLOW MONKEYのエマさんが、
レスリー・チャンのサイン会に応募したけれど抽選に外れ悔しがっていた。」と
聞いてからは、一層気になる存在になっていた。
まだ観ていなかった「男たちの挽歌」シリーズも観てみようと考えていた矢先の事だった
から本当にショックだった。
ブエノスアイレス」のラストでは、哀しくて痛くて、傍から見たら滑稽にさえ見える
ような生き方でもその道の先には希望があるんだよ。
『生きていれば、いつか必ずまた・・・。』という光が
見えたのに、レスリー・チャンは、光を見失って仕舞ったんだね。
彼が取り込まれた闇がどんなに深く暗い闇かは判らないけれど、
あれだけの才能を持った人が、自分の生きる価値を否定して、未来に絶望して
命を散らすのは本当に残念だし、只々悔しい。
私は、彼がまだ30代だと思っていたから46歳という年齢にも酷く
驚かされたけれど、我々の心の中には、若く美しいままの姿の彼が永遠に残る。
それで満足なのだろうか?そんな問いも虚しいだけだ。
残された者達の悲嘆の声はもう届かない。

遺書に「精神的に疲れた」と書かれていたと聞いて、正直ぞっとした。
あの人の言葉を思い出したから。
「疲れた」・・・そうだよね。あの時、あの人は、『とりあえず、もう疲れた。』と
メンバーに言ったんだった。
もしかしたらあの人も崖っぷちに立っていたのかも知れない。
けれど、あの人は今を生きている。それだけで良い。生きてさえいてくれたら。
生きていれば、いつか必ずまた会える。
生きて復活の日を迎える事が出来ると信じる事が出来るから。
レスリー・チャンさん、最後に結局、最愛のバンドの話になって御免なさい。
あなたの魂が安らかでありますように祈ります。