ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

青い陽の中で目指したものを

思い立って、2年前に発行されたエマさんの単行本
菊地英昭LET THE MUSIC DO THE TALKING』を
読み返してみた。第4章「パンチドランカー・ツアー」、
第5章「ギター・コレクション」のTHE YELLOW MONKEYの
活動休止について語った部分、そして第6章「ロックスター」の
「ザ・イエロー・モンキーへの道」以降の部分だ。
2年前初めてこの本を読んだ時は、パンチドランカーツアーが
メンバー達にとってどれ程過酷なものだったか、その後のバンド
全体へ及ぼした影響がどれだけ大きかったかを考えると辛くなったし、
イギリスで『BRILLIANT WORLD』と『GIRLIE』を録り終えて
帰って来た吉井が『とりあえず、もう疲れた。』と発した
第一声が、休止の決定を告げたのだ、という辺りは、
今読んでも胸が痛くなる。
その後のスプリング・ツアーのリハーサルに向けての
メンバーの緊迫感は、読んでいるこちらまで張り詰めた空気が
伝わるようだし、各地のライブでの爆発的な燃焼と充実感は、
「スプリング・ツアー」DVDにも収められている。
エマは、『現時点での自分たちを何か形に残したかったんだよね、きっと。』という。
そうして『《8》のトータルな印象をイメージする時に、俺は、常にスプリング・
ツアーが脳裏にあった。気の流れが絞り込まれて、集中出来て。
その際たる証が<峠>なんだけど。』と。
「峠」は希望の歌だ。
荒野を進む男達を導く光の歌だ。
『うちらはいつも目標があった。・・・いつもそういうものに向かってやっていたよな。
・・・休止をしてしまう訳だし、その前にせめて、
そういう目標に向かってやってみようよ。』とドーム公演を
成功させた彼ら。この人達は本当に律儀で真面目なバンドマンだと思う。
そして、しなやかに強く前向きだ。
先ずヒーセがHEESEY WITH DUDES でソロワークを始め、今
YOSHII LOVINSONがたった独りでの文字通りソロデヴューを飾った。
雑誌の連載しか姿の見えないエマは?全く音沙汰の無いアニーの
現状は?とヤキモキしていたけれども、今日この「菊地英昭」を
読み返してみていたら、心が落ち着いた。
この人達には、目標が見えている。
峠を越えて、4人は再び出逢うだろう。信じています。