ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

BLACK HOLE

1/21六本木ヒルズで行われたYOSHII LOVINSONデビューアルバム
試聴会には、YOSHII LOVINSON本人が現れたそうだ。
やっぱりね。そうじゃないかと思ってた。
それを聞いた時、抽選に当たらなかった事が非常に残念にも思った
けれど、それなら競争率は物凄かっただろうから仕方ないな、とも
思えた。
それよりも吉井さんが壇上で語ったという『THE YELLOW MONKEY休止直後は
5年間は休むつもりだったけど・・・自分にできる事は音楽しかない』という言葉が
ずしんと胸に刺さった。
12年間凄まじいスピードで走り続けて来たイエローモンキーを
休止させると決断して、ストップして・・・その時の反動の大きさは、
私などには想像も着かない程の大きさだったのだろう。
試聴会で配られたパンフレットには、『活動休止してから現在までの約3年間、
34歳から37歳になる間の暗闇で感じたこと、
決めたことなどを曲にした。』
『これからも僕は僕の心の闇を歌っていくしかない。
ブラックホールだから終わりはない。』
『みなさんの心の闇と交わった時さらに深い闇になって、
ブラックホールに一瞬でも光が見えたら、
こんなに嬉しいことはないです。』そう記されていたそうだ。
著作権違反?けれどこのメッセージは、
我々イエローモンキーファン全てに届けられるべき物と
私は考えるので、敢えて此処に書いて置こうと思う。

私は、今までずっと長い間「自分は何故こうも空虚感に囚われているのか。
何故、表面上は分別臭い大人の振りをしているのに内面は未熟のままなのか。」と
悩んで来た。
けれどこの「at THE BLACK HOLE」というアルバムの情報が
出回るにつれて、私は自分の「心の闇」に目を背け続けていた事に気付かされた。
私は、馬鹿げた話だと自分でも思うけれど、成人してからも大分
長い間、自分自身が穏やかな人間だと思っていた。
控えめで人と争う事をせず・・・けれどそれは他人に煩わされる事を
避ける為、本当は非常に我侭な人間だった。
その事に気付かされた時は、愕然としたけれど、根本はもっと根深かった。
認めたくは無かったけれど、これは幼少時における愛の不信感から来ている。
幼い頃家庭が崩壊して、自分は両親のどちらからも
必要とされていないのではないかと感じた「喪失」と「不安」の大きさは、
今にして思えばその時期の細々とした記憶が一切残ってない事からも伺える。
もっと幼かった頃の出来事は覚えているのに。
その頃から自分は、「聞き分けが良く素直な良い子」に成り切ろうと
努めて来たように思う。
それが自然の姿だと思い込む事によって、心の奥底に暗い闇を
作り出していた事にも気付かないままで。
「喪失」を認識しないうちは「成熟」などあり得ない。
自己のあるがままを受け入れる事・・・まずそれからなんだろう。
他様からみれば滑稽でしかないだろう。
けれど、私は「at THE BLACK HOLE」に向き合う時、
表面を繕った偽りの姿では聴きたくないと思った。
YOSHII LOVINSONが剥き出しの心の闇を歌って来るなら、
私もまっさらな自分で対峙したいと願うから。
愚かだと笑われても良い。
そのような雑音に耳を貸すゆとり等、私は無い。