ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

「Recording Documentary」DVD 

「at the BLACK HOLE」特典DVDを観た。
この人の歌う姿を見たいとずっと思い続けて来た。
だからそれがたとえスタジオの中であろうと、マイクに向かってで
あろうと、この人が歌う姿を目にして感無量だった。
ギターを奏でながら歌っていた『スティルアライヴ』・・・
“36年生きて来るとね、色んな事があるよね。”
そう言って後で笑っていたけれど、あの『スティルアライヴ』の一節を歌う
YOSHIIさんの姿に、私も感極まった。
アダム・キャスパーによる『TALI』MIXが完成した時の
歓喜の舞を踊った後に、大きく溜息をついて
“いや良かった!”と呟いたあの表情に涙が溢れた。
『20GO』『TALI』『CALIFORNIAN RIDER』凄腕アダム・キャスパーの
MIXをあれほど喜びながらも、残りの曲を自分の手で世に送り出そうと
決めた作品への愛情の深さ、潔さ、意思の強さは凄まじい。
演奏だってMIXだって他人に任せたらもっと洗練されて一般的に
格好良いと言われる曲になっただろうに。
あえて茨の道を選んで仕舞うのだね。
『Momiji Red leaves』が“この曲はオンエア出来ないから。”と
ボツになった瞬間が収められている事に驚いた。
“太陽を待ちながら Love ? You Love ?全部赤くなった”
BLACK HOLEに行って仕舞ったこの曲が日の目を見る事を祈る。
ミキサー卓の前で『SPIRIT'S COMING』を歌い踊って見せてくれた時、
そしてその後『SWEET CANDY RAIN』を録って作業する
緑色の上着の背中に胸が熱くなった。
じっとコンソールに頭を垂れる姿が愛しくて堪らない。
完成して煙草を燻らせながら心底満足そうな表情が
本当に嬉しかった。
YOSHIIさんが「at the BLACK HOLE」を作り上げていく過程の
その時々の色を映し出して見せて下さった有賀幹夫さん、
どうもありがとうございました。