ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

値段以上の読み応え

「VintageGuitar vol.16」と「激刊!山崎」が届いた。
「VintageGuitar」は「FENDER ジャズマスタージャガーのすべて」と
「ロックな女性プレイヤー」特集で、リタ・フォードやジョーン・ジェットや
沢山の女性ロッカー達のステージ写真や愛器達、本当に美しい。
THE YELLOW MONKEYが愛した楽器たち」という記事が載せられているのだが、
これはカラーではないのが惜しい。
けれど、あの「メカラウロコ15」で展示されていたMONKEYのそれぞれの
時代を担った楽器たちがコーナー毎に紹介され、
『最後の「JAM」を奏でたギター&べース』が掲載されていたのは嬉しかった。
PUNCH DRUNKARD TOUR1998/1999の機材に添えられたコメントの
『巨大なロックン・ロール・バンドに成長した彼らはツアー機材もスゴイ数』
という言葉が印象的だった。
「峠」の一節
“巨大なモーターのエスカレーター
 それに乗り僕らは夢見たね・・・”が蘇って来た。

巨大なロックバンドを解体して彼らは、どんな姿を目指しているのだろう。
「音楽と共に生きる仕事人たち」というコーナーでは、
YOSHII LOVINSONの「WHITE ROOM」に参加されている勘澤典弘氏の
インタヴューが載っていた。インストゥルメント・テクニシャン集団「JAM」に所属し
長年THE YELLOW MONKEYのLIVEを支えアルバム「8」のレコーディングに貢献し、
今度の『WHITE ROOM』の「WANTED AND SHEEP」では
NORIHIRO“ZZ”KANZAWAとギタリストとして表記されているのだ。
私はこの「WANTED AND SHEEP」がもの凄く気に入って仕舞っているので
この方がこの味わい深いギターを弾いていらっしゃるのだと知って嬉しかった。
楽器や機材に精通しておられるのは勿論、楽器の音だけじゃなく
YOSHIIさんというアーティストそのものまで深く理解して厚い信頼関係を
築いてらっしゃるのだと感じた。
この方が今度のツアーメンバーになるのだろうね。
ステージ上のお姿を拝見するのも楽しみだ。

続いては「激刊!山崎」。
まだ1/3ほどまでしか読んでいないけれど、ご本人「ウンコページ」と仰る
この元ロッキン・オン・JAPAN編集長・山崎洋一郎氏の編集後記は、
これだけ纏めて読めるのは至福だ。
「まる秘おセンチ日記」でジャパンバッシングをやらかした吉井和哉への
大反論は、前に読んではいたけれども、やはり面白い。
『「最近はどうしちゃったの?」みたいなファンの声が
(実はただの利己的な)無責任でどれだけ非生産的でやる気をそぐか』と
いうところは、文脈とは関係ないところではあるけれど大いに頷けた。
偉そうな批判も実はただの好き嫌いでしかなかったりするものだ。
「MONKEY時代は良かったのにソロのYOSHII LOVINSONは・・・」等と
いうのは、嗜好が合わないだけじゃないの?と思う。
1997年第一回フジロックの記述は、やっぱりズシっと来た。
「作戦ミス」あの時台風に襲われず、状況の変化に上手くバンドが
対処出来ていれば?なんて思うのは愚かだね。
過去は変えられない。
吉井和哉詩集「SO YOUNG」への『ロックが持つ「ネガティヴ」という特性』に
ついての箇所、PUNCH DRUNKARD TOUR終了後JAPAN表紙になった
あの灰色の雲が垂れ込めた海辺の取材時の話が心に残った。
山崎さん、ロッキンオン誌へ移られても、Jロックを見守り続けておられる
あなたの眼差しを深く信頼しています。
THE YELLOW MONKEYから巣立った4人の行方をどうぞこれからも
その厳しく暖かな眼差しで、どうぞ宜しくお願いします♪