ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

月2回送られて来るRock In Golden Ageという冊子を
楽しみに読んでいるけれど、今号の「ロック少年の部屋
『俺ロック』」は、あがた森魚さんのインタヴューだった。
「赤色エレジー」が誕生した経緯を話してくれている。
『大好きな作品から受けた感動を凝縮することで、登場人物
たちに「僕も同じ気持ちだよ」って返事ができた気がしたな。』と
述べておられる。
映画「赤色エレジー」出演時の長髪・Gパン姿、まるでまだ
少年のような体つきをしたあがたさんの姿や若々しい仲間達の姿が
蘇って来た。一気に30数年遡ってしまうとても大きな力を持った
曲だ。
『一度、ヒット曲という、とんがったオブジェができてしまうと、
歌い手は自分で考えていた以上にふくれあがった、さまざまな
反響に応えつづけていかなきゃいけなくなる―20世紀の
あがたは「赤色エレジー」が生み出してしまった、
そうしたイリュージョンから逃れられず、
その先の、゛答え"を探しつづけていたのかもしれない』のだと、
あがたさんは言う。
THE YELLOW MONKEYの場合、「JAM」や「SPARK」のヒットという
状況が少し似ているのじゃないかと思った。
「LOVE LOVE SHOW」や「BURN」をTVの歌番組で歌う
TVのシンガーの自分達をメンバーはどう捉えていたのだろう。
結構客観的に楽しんでいたのじゃないかなとも思うんだけど。
あがたさんは『ロックが歌いつづけているのは
ウッドストックの時代から変わらない、ラヴ&ピースとか、人に対して
優しくありたいとかいう、たわいない妄想にすぎないんだ。
でもロック・スターはそうした妄想から逃れられない、妄想を
背負わされた存在なんだと思う』と、
『妄想を維持しつづけるのは甘くないんだよ』と仰る。
『作ろうとするものが妄想に支配されているんだから、答えなんて
簡単に見つかるはずがない』
本当にその通りですよね。
『思い通りにいかないこともたくさんあるけれど、それもロック
なんだと思っている』
あがたさんの言葉は、すんなりと心の中に入って来る。
あがたさんこそ『永遠のロック少年』だと思う。
吉井和哉の中にも「ロック少年」の部分はきっと沢山あるだろうけど、
私達が彼に託した妄想や幻想の大きさ・重さを、どうかどっしりと受け止めて
ロックスターの道を究めて行って欲しい。
彼に背負わせた荷の巨大さが時折怖くなる事もあるのだけれど、
この前のジョン・レノン祭やMTVやbridgeのインタヴューを見たら
吉井自身ようやく覚悟がついたというか彼の音楽の使命を受け入れた
ようなので、ますます来年のツアーに期待が高まっている。
希望どおり、名古屋初日と大阪城ホールチケットを確保出来た。
2公演だけだけど、目いっぱい楽しみたいと思う。