ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

「BEAUTIFUL」PVを繰り返し見ている。
何故、教会なのか?
繊細で華麗な装飾の施された教会内部は、
培われて来た歴史の重さを感じさせ、厳かな趣だ。
幾つもの燭台に灯された蝋燭の向こうに映し出された吉井は、
彼自身の「愛」を歌うというよりは、長い年月の間この教会に
集った人々の「祈り」をも、その歌に宿しているように聴こえて来る。
一人ひとりの人間の「命」も「愛」も限りある儚いものであったとしても、
否、儚さがあるからこそ、その「生」の一瞬一瞬がより美しく輝くのだと、
このPVで改めて感じた。
生きる痛みと哀しみを知っているからこそ、吉井和哉の歌は、
より穏やかに優しくそして力強く『鮮やかに』響くのだ。
私達が命を受けたこの宇宙には、根源的なメロディーがあって、
折々に触れて人はその一部授かる事が出来る。
きっとそれは、「愛」に触れた時に感じる「美しい」という
感情なのだろうと思う。