ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

YES-YES-YES

GIGS3月号に掲載された吉井和哉武道館レポは、
武道館初日12月27日のものだった。
TVで生中継されたのは、28日LIVEだったし、
今度発売されるDVDも28日の映像、
最後の最後に演奏されたのが吉井和哉弾き語りの「JAM」だった事もあって、
話題に上るのは、28日LIVEばかりだった。
私自身が参加出来たのが27日だけだったから、
GIGSで取り上げて貰えた事が嬉しい。
スカパーで録画した映像を何度も見返したお陰で27日の記憶が
すかり薄れていたので、GIGSの記事であの日の事が甦って来た。
吉井のMCで『お母さん、日本でコレが出来るのは俺だけなんだよ。』
という箇所、台所に立ったお母様にすっかり
スルーされちゃったというオチで
会場が大いに沸いたんだったね。
でもGIGSのライターさんが書かれている通り、
今のこの音楽シーンで、金髪であんなフリフリブラウスで
キラキララメパンで、スパンコールの手袋で、
ミラーボール煌かせて武道館でロックン・ロール演れる男が
吉井和哉以外に存在するだろうか。
「THANK YOU YOSHII KAZUYA」と題された吉井和哉という
一人のミュージシャンの
集大成のようなセットリストを魅せつけた2時間のLIVEは、
28日がTV中継のカメラ&後のDVD化を少なからず
意識していたものと違って、より自然体の本来の
吉井和哉のLIVEに近かったのではないかと感じた。
27日のセットリストで言えば、「SPARK」「太陽が燃えている」
「バラ色の日々」「LOVE LOVE SHOW」「パール」と全23曲中
5曲にものぼるTHE YELLOW MONKEYの曲達。
ファンの中には、色んな受け止め方があるようだ。
後に明らかになった吉井の事務所からの独立という事柄を受けて、
このツアーを最後にイエローモンキー曲を封印するからだとか、
ソロ曲だけでは集客に不安があるからだとか。
私にはとてもそんな風には聴こえなかった。
営業戦略だの業界の思惑だの、そんなものに
吉井和哉が縛られてたまるか。
私は、吉井があの曲達を歌いたいから歌っているのだと、
ただそう感じた。
音楽の道を歩いて来た吉井和哉の行程を
ありのまま示してくれたのだと思う。
何一つ否定する事無く。
LIVEでは、演奏されなかったけれど、私は「SEET CANDY RAIN」に
繋がっているのじゃないかと感じている。


「ありがとうありがとう
私に流れた色んな人たちの血」

So she was crazy
まぼろし
Sweet candy rain は止み
救いだった神にすらもう
Say goodbye
Say goodbye say
もう誰のせいにもしないって (「SWEET CANDY RAINYOSHII LOVINSON


『もう誰のせいにもしないって』という
力強い肯定の言葉だ。
他者も自己も否定しない。
ただありのまま受け止める。受け入れる。
「肯定の言葉」で連想したのは、
ジョン・レノンオノ・ヨーコと出逢ったきっかけになった
部屋の中央に置いてある梯子を観客が昇って天井を虫眼鏡で覗くと
小さな文字で「YES」と書いてある"Ceiling Painting" という作品だ。

YES-YES-YES
振り返らないで いま君は素敵だよ   
(「YES-YES-YESオフコース

私は、吉井和哉の今が好きだ。