ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

「バッカ」PV

さあ、切符をしっかり持っておいで
お前はもう夢の鉄道の中でなしに
本当の世界の火やはげしい波の中を大股に
まっすぐ歩いて行かなければいけない

天の川の中でたった一つのほんたうの
その切符を決しておまへはなくしてはいけない

宮沢賢治銀河鉄道の夜」第三稿までに遣る文章

冒頭、画面に浮かび上がって来たこの文字を見て驚いた。
驚いたけれども、この「バッカ」のPVを見終わった時、
ジョヴァンニというのは、サラリーマンの格好をしているけれど
少年のままこの現実社会で彷徨う吉井和哉自身であり、
そのジョヴァンニを教え諭す、
セロのような声だというブルカニロ博士のこの冒頭の言葉も
吉井和哉の落ち着いた深い優しい声なのだろうと
そう思った。
居酒屋で「宇宙の納期」について論じているサラリーマンの
上司と部下があがた森魚さんと松田洋治さん。
あがたさんが出て下さっているのも嬉しいし、松田さんはホントに
上手い役者さんだよね。
てっきりKREVAさんが吉井を殴るチンピラ役なのかと思ったら、
意外なところで出演されててにんまり。
想像以上に似合ってらした。
チンピラ役は、お笑いの西川君とまさかのあっくん。
あまりの嵌り役に驚嘆。良く出てくださったなあ。感謝です。
そして、mixiでPV制作の話を知ってからずっと期待が高まっていた
あの「JAM」PVの男の子と女の子がこんなにも成長した姿に感動!
クリスマスの街で流れるTV画面の中の「JAM」PVの子供達の映像。
サラリーマン吉井が追憶している「JAM」の子達。
すっかり成長した二人の姿。
ビルの壁面に映し出された、おそらく吉井和哉自身の幼少時の写真。
クリスマスの歌だというのに、何とも痛いくらいに切なくて、
でもこれ以上ないくらいに愛しい気持ちが込み上げて来るPVだ。