ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

DUST TO DUST

突然「jaguar hard pain Live」の映像を見たくなって、
古い映像を引っ張り出して観た。
これは、LIVE Yで放送されたものだ。
暗いステージにスポットライトが当たって、
黒スーツに赤い羽根飾りのアイマスクを着けた男の姿が浮かび上がる。
「DUST AND DUST」
日に焼けた赤い船 血の絶えた恋を乗せ

波を切る DUST TO DUST

血の絶えた恋はまた 手紙の声に耳を立て

その胸を震わせる DUST TO DUST

弔いの身は果てた 清らかな水を浸せ

時は枯れて 鳥よ羽ばたけ

DUST TO DUST

In the midst of life we are in death. Earth to earth, ashes to ashes, dust
to dust; in sure and certain hope of the Resurrection into eternal life.
キリスト教の葬儀で埋葬の時に、唱えられる祈祷文だ。
≪われら、生のさなかに死に臨む。土は土に、灰は灰に、塵は塵に。
永遠の生への復活を信じ願いつつ。≫

死と再生を歌ったアルバム「jaguar hard pain」のLIVEの幕開けに相応しい
オープニングだ。
「DUST TO DUST」を歌い切ると男は、ステージに崩れ落ちる。
客席がざわめく中、あのギターフレーズが響き始め、
白いスーツ姿の吉井和哉がゆっくりと姿を現す。
何度見てもゾクゾクする格好良さだ。
DVD BOXに収められた「jaguar hard pain Live '94」の紹介文は、
『1994年、伝説のJAGUAR HARD PAIN TOURはその幕を開けた。
壮大なドラマに取り憑かれた情念のシアトリカル・ステージが遂に蘇る!』だけれど、
「薔薇娼婦麗奈」で曲間にタンゴを踊る男女のダンサーに負けず劣らず
妖しく歌い踊るjaguar吉井は神懸っている。
華麗に激しくギターを奏でるエマ、身体の芯を震わすようなヒーセのベース、
胸の鼓動を駆り立てるようなアニーのドラム、この4人が合わさって作り出す
エネルギーの大きさに眩暈がしそうだ。
「Red Light」歌い出しのエロさは、ヤバ過ぎる。
あれから13年。
もし、今の吉井和哉が「jaguar hard pain」を歌うとしたら
あれらの曲を一体どう表現するのだろう。
先日モバ公式で吉井が「嘆くなり我が夜のFantasy」を
ペッパー警部とウォンテッド」と表現してから、
「吉井武道館」で衝撃の曲達が披露されるのではないかと
ドキドキしている。
「あの曲だけは、THE YELLOW MONKEYだけの物にしておいて」
そう願う曲もあるけれど。
≪永遠の生への復活を信じ願いつつ≫
そう祈る為には、必ずきちんと弔う必要があるのにね。
過去を過去と区切る事が私には、どうしても無理のようだ。