ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

Jovanna的「吉井和哉ソロベスト」

CUT2008年8月号で一番興味深かったのは、吉井和哉
『そろそろベストアルバム出そうかなあと思ってるんですよね。』
という発言だった。
4月にROCKIN'ON JAPAN誌でのインタヴュー記事に
吉井和哉が『「アメリカン・アイドル」で去っていきやがったあいつ』
という表現をしていた事があって、ずっと気に為っていた。
「ソロのベストアルバムを出す」という事は、
これまでのソロ活動に達成感を感じているという事だよね?
一区切りが着いたと感じていると受け取って良いのだろうか。
渋谷陽一氏の仰るように、そして本人も答えているように
『また次のステージへ行きたい』という事なのだろう。
「CUT」の記事には、吉井和哉のこれからの展望に全く触れられて
いなかったけれど、この間のカリフォルニア行きで新アルバム制作への
ミュージシャンへのオファーも行われたそうだし、今後どのように
進んでいくのか物凄く期待出来る。
レコーディングは、秋なのかしらね。楽しみだ!
とは、いうものの、曲作りってもう出来ているのだろうか?
オフ中は、釣りとショッピングの話題ばかりだったような気がする
のだけれども(^_^;)
余計なお世話でどうもすみません。
余計なお世話ついでで私的「吉井和哉ソロベスト」を選んでみた。
(最初17曲選んだけれど、
再生回数見たら抜かしちゃイケナイ物に気づいた!)
発売順で
「TALI 」
「スティルアライヴ 」
「SWEET CANDY RAIN 」
「SIDE BY SIDE 」
「トブヨウニ」
「BLOWN UP CHILDREN 」
「HATE」
「CALL ME」
PHOENIX
「RAINBOW」
「MY FOOLISH HEART」
「Living Time」
「Lonely」
「ポジネガマン」
「All By Love」
「Believe」
「Do The Flipping」
「シュレッダー」
「バッカ」
「雨雲」
20曲中10曲YOSHII LOVINSON名義だ。
シングル曲は、6曲。
シングルのカップリング曲が多いなあ。
まず「TALI」。
活動休止後、待って待って待ちかねてようやくこの曲に
出会えた喜びは、大きかった。
“結婚しようよ BABY”に驚かれたけれど、
その後、この曲に託された想いの深さに気付かされた時、
掛け替えの無いほど大切な曲になった。
「スティルアライヴ 」
ブラックホールの淵に立ってギリギリ踏みとどまれる力を貰える曲。
一人の少女の面影と共に決して忘れられない曲だ。
「SWEET CANDY RAIN 」
私にとって今回選んだ20曲中第一位に位置する曲だ。
幼い頃から父母の問題で苦しんで来た私にとって、
まぼろしのSweet candy rain は止み 救いだった神にすらもう
 Say goodbye Say goodbye say もう誰のせいにもしないって”
に大きな癒しの力を感じた。
そして「赦す」愛を育む強さを教えられた。
「SIDE BY SIDE 」
“糸の付いた針をくわえ
 ふさいでやろう BABY SIDE BY SIDE”

ゾクゾクするくらい吉井和哉のエロスが感じられる曲だ。
“まだ平穏じゃ 平穏じゃない
 一過性の夢想でもない
 無理に笑うのよせ”

ここでいつも泣きたくなる。
「トブヨウニ」
このシングルが発売された時私は、カップリングの
「BLOWN UP CHILDREN 」や「HATE」とトリプルA面にすべきだ
と主張していた。
カップリング曲の方が良いんじゃないかとまで言っていた。
でもそうじゃなかった。
“君のすることに無意味なものなどないって
 風に流れる髪にも運命は宿っていて、、、
 徐々に”

この曲の豊かさ、大きさに感謝している。
「BLOWN UP CHILDREN 」
孤独と悲しみの闇に差し込まれた一条の光のような、
日常に倦み疲れた心に涼やかな風を届けてくれるような、そういう
価値ある曲だ。
「HATE」
“角砂糖”を“核弾頭”と聴き間違えていた事は、
決して忘れられない(笑)
“太陽が照らすのは次の夢見ている目
 悲しい目 怒ってる目 生きてる目”

「愛する者が幸せでいて欲しい。」これが究極の願いなのだなあと
改めて思う。
「CALL ME」
“恋に罪に欲に胸に花に水に風に雲に空に星に
 永遠に 永遠に 永遠に CALL ME”

後になってこの曲が出来た背景を色々知る事になったけれども、
そういう事を抜きにしても、この「CALL ME」に込められた魂の叫びの
切実さに心揺さぶられるのだと思う。
PHOENIXベスト第二位だ。
アルバムが出た時から凄く好きな曲だけれども、
2005年ソロとして初めてステージに立ったあの新潟フェイズで
PHOENIX」が鳴り響いた衝撃は、一生忘れられないだろう。
“ONE MORE BABY BRAND NEW DAY 今 解き放て
 終わりはないらしい PHOENIXが太陽に…
 羽ばたけ 羽ばたけ 羽ばたけ
 元気出せ 元気出せ もう恐れること勿れ”

「RAINBOW」
“七色で人の心乱すレインボウ 長く続かなかった夢のように
 手の平で すぐに消えてしまう レインボウ”

美しく妖しく輝く「虹」は、まるで吉井和哉そのもののよう。
「MY FOOLISH HEART」
自伝を読んで初めてこの「MY FOOLISH HEART」の意味を知らされた。
この曲に初めて出会った頃、全く違った解釈をしていたから、
自伝を読んだ後、苦しくてこの曲を聴く事が辛くなった時期があった。
けれど、
“生きるべきか 死ぬべきなのか”という言葉そのもののように
己と真摯に向き合った吉井和哉の姿を想う時、
私の愚かなわだかまりは消えた。
大阪城ホールのステージに飾られたインゴ・マウラーの
巨大なハートの照明オブジェ
「Cuore Aperto(開かれた心)」の下で吉井和哉が歌いあげた
「MY FOOLISH HEART」を忘れない。
「Living Time」
“なぜだろう地平線と青空が
 音もなく触れ合う そこには
 なにか答えがあるような気がする
 ・・・・・・この手でよかったら いつだって掴まれ”

「世界は閉ざされたままじゃない」としなやかで大きな手が
ふっと目の前に差し伸ばされて来るかのようだ。
「Lonely」
“ひまわりが音もなく揺れてる 揺れてる
 今日だけが全てだと青い空に咲く
 明日のことは 遠い未来
 今咲くのだと背を伸ばす”

自分の歌だと錯覚して仕舞うじゃないか。ニクイなあ。
「ポジネガマン」ベスト第三位。
“I HOLD YOU 明日こそ晴れるかな
 止まない雨はない ポジネガマン”

死ぬ前に一度で良いから生で聴いてみたい。
「All By Love」
“乗りこなせ この惑星
 笑い飛ばせ 愛を込めて
 未完成で構わない 不安定で構わない
 ただあるがまま
 OH YEAH 胸張って”

この「不安定さ」も大した事ないじゃないか、って笑い飛ばせそうな
そんなゆったりした気持ちがしてくる曲だ。
「Believe」
I BELIEVE IN ME
 風の中 花吹雪 舞うように
 思い出が満開
 I BELIEVE IN ME 振り向いても
 後ろには通り過ぎた景色があるだけさ”

切な過ぎる愛の歌だ。尊く美しい。
「Do The Flipping」
“Looking for the man
 あれがそうかな?
 歩こうロマン おれ夢想花

アルバム「Hummingbird in Forest of Space」への旅立ちの
興奮と飛翔感を鮮やかに表している曲だと思う。
「シュレッダー」
“神様に会ったらこんなふうに言うんだ
 どんな目にあっても生きていたいです
 誰も皆やっぱり同じように辛いって
 この街の緑は綺麗だね
 傍にはいつもいた”

“深く愛した”からこそ、背中のシュレッダーに掛け、
推進力に変え、前を向いて生きて行こうとする凛々しい力強さ、
女唄を歌う吉井和哉の凄味が冴え渡る。
「バッカ」
“音楽を軸に回るオレのLIFE
 この星の思い出を歌に”

「JAM」とこの「バッカ」の意味を考えると
より深く「愛」の意味が響いてくる。
「雨雲」
“夢が叶えば夢につぶされ雨雲広がって
 右や左がわからないほど立ちすくむけれど
 少しづつでも日の射す場所へ君とただ向かった
 I LOVE YOU I LOVE YOU”

最後に伝えたいのは「I LOVE YOU」!