ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

2008年12月28日「吉井武道館」

これが12月28日の「吉井武道館」なのだと実感した。
「12月28日の武道館には、魔物が住んでいる」と
去年にも感じたけれど今年の魔力は、想像以上に
絶大だった。
2階南という席だったのでステージまでの遠さが
気がかりだったけれど、かえって全体が見渡せて
良かったのだと思う。
吉井和哉菊地英昭、ジュリアン・コリエル、
三浦淳悟、城戸紘志、鶴谷崇、彼らが
この広い武道館全体を掌握していく様を目の当たりに出来た。
今年はオープニングゲストは無いと思っていたので
ダチョウ倶楽部の登場に驚いた。
長いつきあいだものね。上島さんは今も吉井和哉
「ロビンちゃん」って呼んでくれるのかな♪
そしていよいよ本編スタート。
大阪城ホールレポを目にしていたとはいえ、
いきなり新曲「ビルマニア」は、凄い。
イントロ、サビ、大サビのぶつ切れで聴いていたよりも
本物は、ずっと威力抜群だ。痺れた。
2曲目「I CAN BE SHIT, MAMA」。
MONKEYの歌の中でも相当好きな歌なのだ。
これを今聴けるという感動と、97年当時よりも
尚一層深みを増した吉井和哉の歌に圧倒された。
「エマのギターで吉井和哉が歌う。」その力の大きさを感じた。
「Do the Flipping」
「黄金バッド」
「SIDE BY SIDE」
ゾクゾク来る流れだ。大好きな「SIDE BY SIDE」は、
YOSHII LOVINSONツアー時より、ずっと表現力、説得力が増して
吉井和哉は本当にこの歌を大切にしているのだなあと実感した。
「ルーザー」ここに「Hummingbird in Forest of Space」が入って
違和感がない。
「BLOWN UP CHILDREN」
イントロのギターの音で震えた。本当に大切な曲だ。
「NAI」
事前に知っていたとは言え、この曲の出現に撃たれた。
満ち足りた愛の甘美さ、儚さ、喪う事への怖れ、
それらを全部抱え込んで浸る今・・・
これを2008年の吉井和哉が歌う。それもエマのギターで、という
この演奏に泣いた。
「CALL ME」
吉井和哉の歌声は、より力強さを増していた。
「頭骸骨貫通」というだけある。
「TALI」
私は、「TALI」と「NAI」はセットになっている曲だと思っているので
聴けて本当に嬉しかった。
カバー曲コーナーは、レディオヘッドの「CREEP」。
ほぼ直訳の詞だ。心に沁みた。
「天国旅行」
吉井のギターが最初の音を掻き鳴らした瞬間、
ぞわりと来て、足もとが揺らいだ。
2008年12月28日武道館のステージで吉井和哉がこの曲を歌っている!
エマが全身でギターを奏でている!ただただ全身で受け止めた。
吉井和哉は今この曲を聴かせたいのだ。我々に届けたいのだ。」
その想いを噛み締めた。
何度も何度もDVDで観続けて来たこの曲だから、
アレンジや最後のピアノの部分などで、どうしてもTHE YELLOW MONKEY
との違いを感じずにはいられなかったけれど、
それでも、こうやって吉井和哉が演奏し続けてくれることで
この曲は生き続けていくのだなあと思えて、その事にもまた感動した。
「シュレッダー」
新曲「SNOW」まず詞の世界に驚いた。これは凄い曲だ。
ビルマニア」と「SNOW」これらが収められたアルバムは、どんなに
凄まじい事になっているのだろう。怖い。
「バッカ」
この曲が出てもう一年。
優しく切なく暖かい曲だ。吉井和哉の歌声が愛しく心に沁みた。
「WEEKENDER」
ここまで本当にあっという間だった。
もろ私好みのセットリストで、心揺さぶられ続けた。
“I'm So Very Excited
 We're Reborn On Weekends”
歌詞の通り“生きている音がする”
この歌たちを聴いて、また自分も生まれ変わるんだと感じた。
また明日から1年間生きて、頑張って、来年も12月28日武道館へ
集いたいと強く思った。

「アンコール」
特別ゲスト・ぽにょパパ「フジモト」が現れるっていうのは、
城ホール参戦のお友達から聞いてはいたけれど、
こんなにも完璧なコスプレで登場するとまでは想像つかなかった。
しばらく前に、「城ホール」と「吉井武道館」用に特別な衣装を
作っている。「ヒントはお父さん」と吉井から知らされて
皆が「ぽにょのお父さん」だって噂していたけれど、
本当に噴霧器(散水機)を背負って来るなんてねえ。
金髪かつらに目のまわりまっ青のメイク、あまりに似過ぎだ。
本編であんなにも骨太で重厚なROCKを魅せつけた男が
アンコールでは、打って変ってこのエンターティナー振り。
最高だ!「フジモト」を乗せたゴンドラが北スタンド上方へ
高く高く昇って行って「崖の上のぽにょ(替え歌つき)」。
そしてセンターマイクで歌うエマ!
何て愛らしく可愛いエマの笑顔&歌声。スクリーンに
大写しになるエマは、さっきまで格好良くギター掻き鳴らしてた人?と
思うくらい、柔らかい笑顔で見惚れた。
アンコール2曲目は、噴霧器を外しただけのコスプレのまま
「I WANT YOU I NEED YOU」
思いっきり弾けた。
吉井和哉の「くちびるモーション」が相当格好良くて嬉しかった。
この歌が出た時から、吉井本人の歌で聴きたいと願っていたけれど
想像していた以上に良いね。
「マンチー」
この曲の一体感は、病みつきになるね。楽しい。
「見てないようで見てる」
“堪らず止まらず”身体が自然に踊り出す。
そしてとうとう最後の曲
「FINAL COWNTDOWN」
ぽにょパパのコスプレのままアンコール6曲を歌い切った吉井は、
本人も言っていた通り、金髪長髪時のちょうど「SICKS」演奏された
当時の吉井和哉の姿に重なって見えた。
けれどそれは、THE YELLOW MONKEYの曲を演ったからだけではなくて、
何だろう上手く言えないけれど、あの当時これらの曲を作った
吉井和哉が10年以上歳を重ねて、色々な肉付けをして、
またはある部分をそぎ落として、進化しているんだ!
という風に感じた。
友が「城ホール」LIVEの事を「新・メカラウロコだった」と
評していたが、私もこの「吉井武道館」を
全く同じように感じた。
このLIVEを体感出来た事を心から感謝した。


「YOSHII BUDOKAN 2008」セットリスト
01. ビルマニア
02. I CAN BE SHIT, MAMA [THE YELLOW MONKEY]
03. Do The Flipping
04. 黄金バッド
05. SIDE BY SIDE
06. ルーザー
07. BLOWN UP CHILDREN
08. NAI [THE YELLOW MONKEY]
09. CALL ME
10. TALI
11. CREEP [RADIOHEAD]
12. 天国旅行 [THE YELLOW MONKEY]
13. シュレッダー
14. SNOW [新曲]
15. バッカ
16. WEEKENDER
《ENCORE》
E1. 崖の上のポニョ
E2. I WANT YOU I NEED YOU
E3. くちびるモーション
E4. マンチー
E5. 見てないようで見てる [THE YELLOW MONKEY]
E6. FINAL COUNTDOWN