ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

“痛みが好き”

何故こうまで吉井和哉が発した「復讐」という言葉が
気にかかるのか考えてみた。
きっと、私の中に封じ込めた傷が疼くからだ。
「SWEET CANDY RAIN」が発売されて以降、
“もう誰のせいにもしない”って改めて心に誓ったし、
過去の出来事や人を恨むだり悔んだりする事は、
もうないと自分では思っていた。
けれど、過去の自分自身も含めて、
まだ私は、全てを赦し切っていないのだろう。
だから「復讐」という言葉に、ここまで反応して仕舞うのだろう。
「痛み」・・・
思えば私が一番最初にTHE YELLOW MONKEYに出逢った
曲「太陽が燃えている」も、ただ太陽の陽の光に充ち溢れた
爽やかな明るい歌だったなら私は、惹き付けられはしなかったろう。
痛みと切なさがギュッと詰まっているからこそ、
当時の私のアンテナがキャッチ出来たのだろう。
GIRLIE」に
“「真実なんてロープじゃ縛れない
 痛みが好き ウソつかないの」”という歌詞があるけれど
その通りだ。
気づくと私は、THE YELLOW MONKEYYOSHII LOVINSON
吉井和哉の曲の中で痛みを色濃く感じる曲達が大好きなのだった。
それらの曲達を聴くことによって、自分の傷が刺激され、
痛みを覚え、そしてそれらの曲達に癒されていくような
錯覚に陥り安堵して。
それは決して真の「癒し」では、ないのだろう。
だって傷は、以前として胸の奥底に大事に仕舞ってあるのだから。
他者をそうして自分自身をも、本当の意味で
“赦す”とは、どういう事なのだろう。
どうしたらこの「痛み」と折り合いをつける事が出来るのだろう。
傷は傷のまま、無理に塞がなくても良いものだろうか。
「SIDE BY SIDE」のように
“そこ縫ってここ縫って”下さらないかしら♪