ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

時空を超えて 痛みも超えて

THE YELLOW MONKEY曲で私が最も愛するのは、
BULB(球根)、遙かな世界、峠だ。
生と性と死、生きることの痛みと歓び、
これらが圧倒的な熱量で歌われる
この曲たちが好きだ。
こういう嗜好の私だから、吉井和哉
善哉ツアー、そして武道館で披露してくれた
「おじぎ草(オジギソウ)」は、もうこの上なくど真ん中に
キタ!

”時空を超えて 痛みも超えて”
初っ端から持って行かれちゃう。
”モラルも超えて・・・カルマも超えて”?
罪の匂いがする。
”朝になって帰りました 鳥のように”

肉体の境も無くなる程、溶け合って
愛し合っても、朝になれば、
愛しい男は、帰って仕舞う。
身体だけでいい。
”わがまま言わない眠り草”と歌っているけれど、
この「オジギソウ」は、
そんな生易しいイキモノじゃないだろう。
艶やかな黒髪がまるで触手のように
愛する男の身体を包み込み、
身も心も全部取り込もうとするかのように、
全身全霊で欲しているだろう。
おぞましい程残酷な女の業の象徴のように
思える。

武道館で披露された「シルクスカーフに帽子のマダム」、
シングルカップリング曲「NAI」、
吉井和哉が女心を歌った曲は、名曲揃いだけれど、
この「オジギソウ」は、本当に凄まじい力を持った曲だ。
”摩擦を止めて痙攣を止めて
愛の重さとかどうでもいい”

「遙かな世界」の「石で性器をつぶしても」というような
直接的な歌詞ではないけれど、
いや、ないからこそなお一層、
愛の行為のむせる程の熱と湿度、
血の匂いまで漂って来そうなエロスを感じる。
痛くて堪らない。
けれどこの痛みが極上の快楽に変わる。
これこそが吉井和哉の醍醐味だ♪

と、ここまで書いて来たけれど、
この“カルマ”が実をいうと”ガンマ”に聴こえるんだよね。
ガンマ(熱力学で比熱比、放射線物理学ではガンマ線及びガンマ粒子)!?
これに続く歌詞の“まるまる燃えて”を考えると
「ガンマ」の方が合ってる気がしちゃうんだけれども。
アルバム発売時の答え合わせで、全然違ってたらお恥ずかしい。
っていうか、あんまりにもあんまりな独自解釈を
繰り広げている時点でドン退きされそうですが(笑)

反転させます♪

「オジギソウ」 吉井和哉

時空を超えて 痛みも超えて
モラルも越えて 光も越えて

カルマも超えて まるまる燃えて
魂も越えて 抱き締めたのに
朝になって帰りました 鳥のように

あなたに逢いたい夜がもっと続けば
答えを知らないオジギソウは眠るのに

夢見るわけを もっと教えて
ABCDEFG全部並べて 
声になって飛ばしました 風と共に

体に触れたい夜がもっと続けば
わがまま言わない眠り草はXYZ・・・ XYZ ・・・XYZ

痙攣を止めて摩擦を止めて
私は愛の重さとかは どうでもいい

あなたに逢いたい夜がもっと続けば
傷つきたくない夜がもっと続けば
わがまま言わない夜がもっと続けば
答えを知らないオジギソウは眠るのに
XYZ・・・