ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

母いすゞ

完全体ではないというのが非常に惜しいのだけれども
「母いすゞ」を聴いた。
出だしから何だかとてもノスタルジックな音のように感じた。
「長男」「次女」と出て来るから、
いすゞ母さんには、三人(あるいはそれ以上)の子供がいるのだろう。
私には、息子がいないけれど娘が三人いるから、
親近感を覚えて仕舞う。
「母いすゞ」のタイトルが発表された時、
もしかして読み方は「VOICES」なのかもと考えていたが、
「ははいすゞ」なのだねえ。
どうして「いすゞ」という名前になったのだろう。
いすゞ」って古風な響きがある。
天河神社の五十鈴やいすゞ自動車、釣りのリールの五十鈴工業とか。
忘れちゃいけない大女優山田五十鈴も。
『秋刀魚が焦げる』『くだものにたかる蠅追っ払って』
昭和の時代に見られた情景のようだ。
『長男の部屋は物置に』
もう直ぐ嫁に行く長女の部屋もやがて
物置になるのだろうなあと考えて、そこで既に涙ぐんで仕舞う。
秋桜」の“この頃 涙もろくなった母”そのもののように
近頃すぐ感傷的になって涙している私にとってこの曲は、効き過ぎる。
愛し育んだ娘が選び抜いた衣装で晴れの日を迎え嫁いで行く、
それはとてもめでたく嬉しい事だけれど、
同時にとても淋しい事。贅沢を言っちゃいけないんだけどね。
いすゞ母さんは、強いなあ。
『一度でも愛した人のこと けなすもんじゃないよ』
口癖のようにこう呟いて、自分自身にも言い聞かせているのかもしれない。
こういう風に言える母でありたいと思った。
FACEBOOKで流れる29秒の部分には、
パトリオットミサイルアプリコットミサイルと言い間違えた』と
歌われている。
これってヒーセのお母様の事だよね。
気風が良くて可愛らしいお母様の逸話を吉井和哉は、
「After The Apples」の核となる曲に持って来たのだね。
『10何年と音沙汰がない』のは、『父ジャン』なのかしら?
「長男」は元気でいるかしら?

『母いすゞ〜ぅっわっ』や『父ジャンとぅーわっ』は、
黒人コーラスのドゥーワップ (doo-wop)が使われているのでは?と思う。
哀しみや淋しさを強く感じさせられても、それでも
前向きに生きていこうとする開かれた心、強い心を
感じさせてくれる歌だと思う。
早く完全体を味わいたい。
吉井和哉が『驚くに違いない』って豪語している
PVも心底楽しみだ!

After The Apples(初回限定盤)

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