ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

「NAI」の世界

1997年4月19日に発売されたTHE YELLOW MONKEY
12枚目のシングル「LOVE LOVE SHOW」のカップリング曲が
「NAI」だ。
1997年春に行われたアリーナツアー「FIX THE SICKS」の初日、
吉井和哉は、MCでいきなり
『昔、阿部定っていう人がいて、アノ時に相手が首を絞めてって言うから、
締めたら死んじゃって、仕方ないから相手の局部を
THE YELLOW MONKEYでいうところのミルフィーユを)切り取って
持ち歩いたという話をして、
『タイトルはナイです』といって新曲「NAI」を演奏したのだそうだ。
この年の1月に発表された6thアルバム『SICKS』中の
「紫の空」に“気持いいなら首を絞めるよ”というフレーズがある。
濃厚で危険なエロスの極致が匂う曲だ。
それに対して「NAI」は、吉井和哉曰く
『イエローモンキーが一番幸せな時期の、
一瞬の空気を切り取ったような曲』だそうで、
一見、儚い綺麗な曲調だ。
吉井和哉はこの曲に『究極の純愛』を描いたのだろうと思う。
傍にいて、寄り添って、口づけを交わして、、、
だけれど、だからこそ、より一層、「喪失」の恐怖に怯える。
この「NAI」は、性器がない男と女の愛の歌、
いや女と女の歌だという意見もあるけれど、
私は、吉井和哉の愛する映画「髪結いの亭主」も連想してしまう。
愛が時を経て失われる事を恐れて自ら命を絶つことで永遠の愛を
手にしようとした妻、妻を愛するあまり幻想の中で永遠の愛を
求めた夫、男と女、決して交わらず「理想の究極の愛」は、
得られ「NAI」というような。
儚く綺麗な歌だけれど、本当は、最高に、
残酷な歌だと私は、思う。

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THE YELLOW MONKEY MOTHER OF ALL THE BEST

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