ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

吉井和哉ファンが見た「時計仕掛けのオレンジ」

時計じかけのオレンジ [DVD]

時計じかけのオレンジ [DVD]

2012年12月30日付けのfrom YOSHII KAZUYAで
『カズシネマで、時計仕掛けのオレンジを久しぶりに観た』と
書かれていた。
吉井和哉が初めてこの映画を観たのは、21、2歳頃のことで、
字幕もなく画像も酷い裏VHSが出会いだったそうだ。
「そのファッション性、音楽、美術、俳優さん達の
演技にとにかく魅了された」のだという。
その後正式にVHS化されてまともな映像を観た時は、
「それはそれは興奮した」のだそう。
私が初めてこの「時計仕掛けのオレンジ」を観たのは
かれこれもう20年近く前だったと思う。
正直なところ、暴力シーンが多くて、何だか良く判らない
という第一印象だった。
次に観たのは、13〜4年前ほどに、THE YELLOW MONKEY
1992年6月20日渋谷公会堂でのLa.mama10周年記念イベントに
出演した時に吉井和哉が着用したあの紫のコートが
「時計仕掛けのオレンジ」に登場するアレックスのコートへの
オマージュだと知った時だった。
この時の映画の印象は、とにかく映画に登場する造形がお洒落だなあ、
ということだった。
そして随分久しぶりに今回観て感じたのは、
若い頃には、主人公アレックスの暴力性、残虐性が自分からは
遠く隔たったものと感じていたけれど、実は、自分の中にも
しっかりと潜んでいるのだということだった。
映画終盤で自殺を図ったアレックスが両手両足を骨折し、
「頭の中をいじられ」て、元の人格に戻るという描写があるけれど、
雛鳥のようにお口をあ〜んして内務大臣に料理を食べさせて貰う
無邪気な様子が微笑ましいと同時に、
権力に庇護されてのみ暴力と残虐性を維持できるという
皮肉も感じた。
ラストの病室に鳴り響く大音響の「第九」の中で
エクスタシーを感じるアレックスの凶悪な顔が
非常に良かった。

from YOSHII KAZUYAの締めの言葉は、
『抱いてユートピア消えろディストピア
 背中のネジをフルに廻そう

「ロマンティストティスト」は僕らの第九だったんだ』


第九合唱「歓喜の歌」は、
ベートーベン作詞の、
歓喜に寄せて」

おお友よ、このような音ではない!
我々はもっと心地よい
もっと歓喜に満ち溢れる歌を歌おうではないか
から始まる。
吉井和哉豆武道館の冒頭に
「Romantist Taste」が鳴り響いたこと、
本当に最高だったのだと噛み締める。
またいつの日か、あの場所で、
最高の歓喜と祝福の「Romantist Taste」を
全身に浴びることが出来ますように☆



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