ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

覚え書き

私がこの目と耳と体全身でTHE YELLOW MONKEY大阪ドームライブを
体感してから、今日でまる二年が経った。
あの夜の事は、私の細胞の一つ一つにしっかりと刻み付けた筈なのだけれど、
その後ライブ中継された東京ドームでの「メカラウロコ8」を
何度か繰り返して見るうちに、次第に大阪の記憶が薄らいで行って仕舞った。
まず思い出すのは「GIRLIE」の終わりから「天国旅行」へ繋がれた吉井和哉
ギターの音色とこの曲を聴けた悦びで身体中が震えた事、
ドームの天井を漣が走るような照明の美しさ。

ああ、良かった。蘇ってきた。私は忘れていない。
一番聴きたくて堪らなかった曲「峠」の始まりの時、どれほど私の胸は高鳴ったか、
スクリーンに映し出されたメンバーの顔を見て、胸が締め付けられそうだった事、
そう、そして『きっと皆の前に戻って来る事を約束します!』って
はっきりと吉井和哉は口にしたんだ。
「峠」が終わってメンバーがはけて行く時、あっさりと去って行く後姿が
とても怖かった。アンコールの声が揃わず申し訳ないような気持ちに襲われ始めた時、
後ろの方で歓声が興って、メンバーがすぐ目の前に現れたのだ。
「メロメ」で間近に見る事の出来たメンバー一人一人の表情...。
夢のようなひと時だったけれど、何故か私は嬉しいだけではなくて、
目の前の吉井が消えて仕舞いそうな言い様のない不安感に囚われていた。
「メロメ」を歌い終え、流れ出したオーケストラの音に驚いていると、
吉井が後ろを振り返って紹介して現れたメカラウロコ楽団。
「真珠色の革命時代」でエマのギターにシンクロしてみせた
吉井の指の動きと互いに見交わした笑みが忘れられない。
「悲しきASIANBOY」で真っ白に舞い散った紙吹雪が本当に綺麗だった。
あの夜の事が、もう記憶の底に沈んで仕舞ったか、と怖れていたけれど、
大丈夫。たった2年で色褪せたりはしない。
東京ドームのMCを聞いて、私も誓った『強力な人生を。』には、
今だ歯噛みするような毎日だけど。
一年前の文章とちっとも成長していない自分だけど。
でも前を向いて歩こうと決めた。
今年に入って、小さな一歩を踏み出したよ。後悔はしない。