あの横浜アリーナでのパンチドランカーツアーファイナルから、
今日でちょうど丸4年経つ。「3.10横浜アリーナ」のDVDを通して見た。
「オマル」が響きはじめ、戦闘の狼煙があがる。
ドラム、ベース、ギター、そして吉井のボーカルが絡んで
THE YELLOW MONKEYライブの幕開けだ。「O.K」から「ロックスター」への流れ、
ヒーセと吉井が二人揃って楽器を振り下ろすアクションがとても決まってる。
「ゴージャス」という曲に集約されている気がするのだが、
イエローモンキーは煌びやかさといかがわしさ、遊び心が際立つバンドだと思う。
私は以前この「3.10」の映像を見る事を躊躇っていた。
パンチドランカーツアーという過酷なツアーがバンドを疲弊させ、
消耗し尽くしたのだと思っていたから。バンドが休止を発表した時、
正直このツアーさえなければ、と恨みさえした。
けれど今日、久しぶりにこのライブ映像を見て感じたのは、確かに
吉井和哉の容貌はかつて自分自身で形容した「茹でたトリ肉」のように
艶がすっかり失われてはいるけれど、ここに映るメンバー達は決して、
真っ白に燃え尽きた姿ではない。
一年にわたるツアーを乗り越えて来た自信と信頼に満ちた雄々しい戦士達の勇姿だ。
“永遠の中に生命のスタッカート
土の中で待て命の球根よ 魂にさあ根を増やして 咲け...花”
この凄まじい表現力はどうかっ!?
アニーは腰を痛め、ヒーセもエマも腕や膝の痛みを堪えている。
それぞれが満身創痍で臨んだファイナルだった。吉井は終盤、まさに気力だけで
前へ前へとつんのめりそうになりながらステージを走っていた。
体力の限界を超えていたのだろう。
“あの日僕らが信じたもの それはまぼろしじゃない ”
「SO YOUNG」はパンチドランカーツアーが生み出した名曲だ。
最後に流れるモノクロのメンバー達の姿!何でこんなに泣かせるのだろう。
渋谷陽一氏のインタヴューに答えていた吉井和哉の「バンドの理想像」は
あの時と今とでは、変わりはあるのだろうか。
今現在の、あなたの歌う「SO YOUNG」を聴きたい。
復活したその時に「SO YOUNG」を聴かせてくれますか?
「踏絵」とさえ表現したこの曲をその時メンバーはどう演奏し、どう歌うのだろうか。
それをとても知りたいと思う。
何度も何度も繰り返し繰り返し、私は希望の言葉を書き綴っている。
イエローモンキーが活動を停止してから私の身体には黒い穴が空いてしまった。
その穴から絶えず砂が零れ落ちて行くような気がするから、私はそれに対抗するように
急き立てられるように彼らへの愛の言葉を書き続けている。
陳腐で痛々しい言葉たちで。
行き場の無い言葉たちは、どこまで積み重なって行くのだろう。