ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

「TOKYO FM SUNDAY Special 長塚タクシーが走る3」

長塚圭史が演じる東京の街を流すタクシードライバーが乗せたのは、
『桜ヶ丘のコンビニまで』と告げる何やらアヤしげな客、吉井和哉だった(笑)
TOKYO FMなんて聴けやしないと諦めていたら、
有難い事にO.Aでカットされた分までHPで聴く事が出来た。
長塚圭史さんは、とても落ち着いた深い声をされた方で、
吉井和哉のゲスト出演にあたって新アルバム「39108」、そして「WHITE ROOM」を
聴かれたそうで、とても丁寧に感想を述べておられて、
それが只の通り一遍の
感想では無くハートで聴き込んでいらっしゃるように感じられて
とても嬉しかった。
吉井の歌詞の表現方法、「腰が要だ」という話など、
とても興味深いお二人の
会話を楽しめたけれど、一番心に残ったのは、
『吉井さんにとって「仲間」という存在とは?』という
長塚さんの問いへの吉井の答えだった。
『今一緒にいなくても、「BELIEVE」という曲の歌詞じゃないけれど
どっかで繋がっているし、一緒に何かをしてきた仲間だし、
これからまた何かをするかも判んないし・・・・・・
別れが必要な時もあると思うんですけれど、
それでも楽しいと思う事、ENJOYしてれば良いんじゃないかなって、
それでも。』
吉井和哉の口からこれほどまでに率直に
THE YELLOW MONKEYの仲間について
語られた事はなかったのじゃないかと思った。
「BELIEVE」を初めて聴いた時、私は、冒頭の
“君を失ってしまった 僕はどうやら”の「君」が
THE YELLOW MONKEY
指しているのだろうと感じていた。
“目の前が・・・・・・くもって見えづらい
 ワイパーじゃ 窓に張り付く花びらは取れやしない”
拭っても拭っても簡単には消し去る事の出来ぬ最愛のバンドへの追憶、
未練、思慕、そういうものを「花びら」に込めているのだろうと。
“あなたの心に届くように叫び続けたい”の
「あなた」とは、私が感じたのは、現実の人ではない例えば
「音楽の女神」というような
存在じゃないのかという事だった。
「長塚タクシー」の中で吉井が話していた
吉井流作詞法から感じられたように、
吉井の理想とする音楽の高みというものは、
想像を絶するほどの険しい高みなのだと思う。
だからこそ、吉井は、
“永遠に魂に刻まれるように 叫び続けて”いこうとしているのだろう。
「BELIEVE」は、別れを歌っているけれど、終わりじゃない。
始まりの歌だ。
これから歩んで行く道が光に照らし出されて来るような希望を感じる。