ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

揺れる

吉井和哉怒涛のプロモーション中で、ラジオ番組ゲスト出演や
雑誌インタヴューも数多いから追い掛けるのも大変だ。
ラジオは仕方ないにしても、雑誌なら地方でも手に入れられるから、
出来るだけ入手しようと努めている。
今日手に入れたのは、メンズノンノ
小さなスペースだったけれど、とても印象的な言葉が載せられていた。
「39108」について吉井和哉は、
『“しがみつくのも、忘れ去るのも人生”っていうアルバム。俺は執着するから、最近はいいことも
悪いことも全部バッサリ切っていかなくてはいけないと思っている。
ただ、自分の中で生活がどう乱れていても、
どれだけ気高くいられるかが重要だと思う。
自分のプライドが傾いたら、人はついてこられないと思うから

と、述べている。
「ニューズメーカー」でのインタヴューでの発言、
アメリカでのレコーディングを終えて帰って来てから稲妻が落ちてきてしまった』、
音楽と人」での『吹っ切れた。もうすべてを手放そうと思った。』からも明らかだけれど、
この人は、この時大きな決着を着けたんだろうね。

夏フェスツアーやその後の多くのメディア露出を
とても精力的にこなす吉井から私は、
重いものから漸く解き放たれた清々しさを感じて、
『最前線に帰って来てくれた!』と
嬉しく頼もしく感じていた。
けれど、先日のYahooライブトーク
六本木ヒルズからの生放送「TOKYO REAL EYES」、
そしてここ最近の雑誌インタヴューに触れて、吉井和哉という人は、
「at the BLACK HOLE」の
黒穴を抜け出て明るい陽の当たる景色に還って来た筈なのに、
彼が映し出す影はより一層濃くなっているのではないかと思う。
どうでもいいことが 大事なことなんだ”と歌う「人それぞれのマイウェイ」。
この手でよかったら いつだって掴まれ 今日も君のことを 愛しているよ”と歌う「LIVING TIME」。
ひたすら“HOLD ME TIGHT”と連呼する「HOLD ME TIGHT」。
オレは足りない 何か足りない”から“お前が欲しい 今すぐ欲しい”「I WANT YOU I NEED YOU」。
惑わされずに寄り添っていて”と願う「BEAUTIFUL」。
愛を歌っているけれども、この歌を歌いそして今現在
全国をプロモーション活動している
吉井和哉からは、時折怖いくらいの孤独の深さを感じる。
僕らの音楽」で美輪さんが仰ったように、
『ROCKは生き様を現す音楽』だろうけれど、
ROCK STARである事を引き受けた吉井和哉がその覚悟と一緒に背負ったものの
大きさ重さは、きっと想像を絶する程厳しいことだろうと思う。
吉井が何に決着を着け、何を吹っ切ったのか、
それはいつか私たちファンにも
明らかにされる日は来るのだろうか?
ツアー初日までもう4週間を切った。
「39108」の曲たちが、LIVEでどのように彩られるのか、
心底楽しみで仕方ないけれど、
“常に変態し続ける男”吉井和哉の今に出逢うのが
少しばかり怖い気もしている。