ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

しゃらくせぇ!

雑誌「Colo」連載中の広瀬“HEESEY”洋一「バカヤロウ様」今号の
お題は、「しゃらくさい」の巻だった。
当時バンドでデビューしていたものの、まだ本格的に売れる前だった頃、
地方でのライヴイヴェント帰り、いくつものバンドが新幹線に
乗り合わせ弁当を広げていた時、同じくらいの知名度だった某バンドの
メンバーがウナギ弁当を旨そうに食べているのを見て、
あるメンバーが言い放った一言、
『ちっ、しゃらくせぇ!オレ達ノリ弁なのに、アイツら
ウナ弁喰ってるよ。ちきしょ〜っ、悔しいな。』
『しゃらくせぇ!』なんて言葉を発するのは、
やっぱり北区上十条生まれのアノ人ですよね?
ヒーセも書いているけれど、この時の『しゃらくせぇ!』には、
眩しいほどのハングリー精神が剥き出しで、
彼らにもこういう時代があったんだなあと、
微笑ましく感じた。
92年にデビュー後、95年「SMILE」でようやく火が付き始め、
その年の終わり「FOUR SEASONS」でブレイクするまで、
結構時間が掛ったTHE YELLOW MONKEYだから、
「売れる」「売れない」を如実に表わす弁当の格差には、
敏感に反応したのだろうね。
でも、後年日本を代表するロックバンドと評価されるように
なってから後に、バンドを維持する為彼らに負わされたであろう
葛藤の大きさや過酷さを思うと、『ちきしょ〜っ、悔しいな。』と
素直に声に出せたその頃が、どんなに貴重だったか、
バンドにとって幸せな時期だったかと思えて仕舞う。

こういう事を書いてる私自身が一番「しゃらくさい」ね!(笑)
ちなみに、ヒーセが「しゃらくさい」の関連語に
挙げている「ちょこざい」に嬉しくなった。
私にとって「ちょこざい」は、
『ちょこざいな小僧め 、名を名を名乗れ!』『赤胴鈴之助だ!』。
“剣をとっては日本一に、夢は大きな少年剣士”

今では35万もする革パンを気軽に買えちゃう吉井和哉だそうだけれど、
ヒーセも書いてたような
『被害妄想のカタマリだった・・・そしてそれをいつもエネルギーに
変えてガムシャラに突っ走っていた』そういう気持ちを
今でもどこかに持っているのかな。