ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

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写真もインタヴューも、そして「吉井和哉を紐解くアルバム“41枚”」も
非常にクオリティー高く濃い特集だった。
まず、インタヴュアーにアルバムのヴィジョンを尋ねられて、
『40代になって一番重要になってくるのは、空気感だとか
質感』だと答えている。
『本当に楽しくアメリカで音楽をやっている―それを伝えるのが
目標だった』のだそうだ。
「関係者が語る“吉井和哉像”2」でCobraさんが述べておられるように、
前作、前々作に引き続いてCobraさんコーディネイトで集った
ジュリアン・コリエル、ジョシュ・フリース、クリス・チェイニーという
実力派メンバー達がギリギリのスケジュールを快く、
吉井の為にあけてくれて、『みんなであれこれやりとりしながら
進めて行ける、細かい指示を出さなくてもすぐに判ってくれる』
『音楽を楽しみながら作るという雰囲気』だったそうだ。
吉井曰く今回一番達成感があるのは「バッカ」と「雨雲」だそうだ。
『「バッカ」で吉井和哉の持っていた匂い―例えば「JAM」という
曲の中にある空気感、歌声の出す空気感がヴァージョン・アップされて
帰って来たと、イエローモンキーの後期から歌えてなかったのが
帰って来て嬉しかった』という言葉に、こんなにも長い時間
吉井が抱えて来た苦悩の深さを垣間見た思いもしたけれど、
それでも今こうして新たな境地に辿り着け、『悩んでも今
俺はすごく楽しくてハッピーになれた』と言い切れる自信作
『Hummingbird in Forest of Space』を完成させてくれた事が
嬉しい。
「関係者が語る“吉井和哉像”1」は、有賀幹夫さんだ。
『様々なコンプレックス、埋められないものをどう埋めるかを
七転八倒して考えたりして埋めていく作業を一生掛けてやっている人』
『洋楽を聴いて、1つひとつ謎を解いて、自分のスタイルを
作って来た人』
THE YELLOW MONKEY時代からずっと吉井和哉の姿を
ファインダーで追い続けて来た人ならではの重みある言葉だ。
吉井本人の発言は、『次のアルバムを作ったらちょっと
ソロ休もうかなー』などという爆弾発言?があったりして、
相変わらずファンをヤキモキさせるのを楽しんでいるというか
何と言うか(笑)
けれど、アルバム創りにしたって、
LIVEの選曲にしたって、吉井和哉が本当に遣りたい事を
歌いたい歌を楽しんでやってくれるのが一番だと
私は今、そういう心境に達した。

先週土曜に日本武道館で行われたオールナイトニッポン
イベントでトライセラトップス出演中のステージに現れた
吉井和哉は、まずトライセラの「僕らの一歩」をセッションし、
ついで「JAM」を歌ったそうだ。
モバイル公式への投稿で知ったが、会場で
「JAM」への過剰な拒絶反応を示した吉井ファンが目撃されたらしい。
痛ましい。
THE YELLOW MONKEYファンは、情が強いからなあ。
「JAM」への特別な思い入れがあるのだろう。
私は、まだ吉井和哉独りだけの「JAM」を生で聴いた事はない。
私が最後に「JAM」を聴いたのは、2004年12月26日
「メカラウロコ15」での、あの哀しいステージだ。
今度生「JAM」に逢える日私は、どんな風に吉井和哉の「JAM」を
受け止める事が出来るか、とても楽しみに思っている。

今、吉井和哉の事を考えていて何故か浮かんで来たメロディーは、
井上陽水の「愛されてばかりいると」という歌だ。
“愛されてばかりいると星になるよ
 ゆきすぎてばかりいると空にゆくよ”

愛し過ぎるのは危険だ。
愛した人を星にしたくはないわ♪