ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

生きている証

Hummingbird in Forest of Space(DVD付初回限定盤)

Hummingbird in Forest of Space(DVD付初回限定盤)

『Hummingbird in Forest of Space』を聴いた。
3連続先行シングル、沢山の雑誌インタヴュー、本人の映像コメント等から、
吉井和哉本人がこの新アルバムへの自信の大きさ・達成感を感じるにつけ、
物凄く期待が膨らんでいた。
けれど同時に、何度も『十年に一枚のアルバム』と紹介されているのを聴くと、
元来の心配症が現われて、もし私にジャストフィットしなかったらどうしよう?
等と少々不安にも為っていた。

そんな杞憂は、1曲目「Introduction」の音が鳴り始めた瞬間、
吹き飛んだ。
2曲目「Do The Flipping」リズムもメロディも声も詞も
全てにヤられた。私は、これが聴きたかったんだと思った。
「Biri」の“あん パーティー あんあん パーティー パンティー
なんて歌詞が良くも出て来るもんだと感心した。
「シュレッダー」は、存在感が凄い。
どんなに哀しく辛くても
“誰も皆やっぱり同じように辛いって
 この街の緑は キレイだね”

押し付けではない、共感と癒しと励ましが沁みて来る。
アルバムバージョンの「上海」は、
“性愛だけになり汚れた身 抱え込み
 絶対馬鹿なフリしとけばいいと思い込み”

男って何て哀しくて愛らしい生きモノなの♪と
思わされたけれど、そこがまた吉井和哉のズルイ所だとも
感じて少し悔しくなった(笑)
「ルーザー」は、“365歩のチータ”が印象的だ。
『冗談みたいな曲』と言っているけれど、
“ヘイアイムアルーザー入り口だ
 ルーザーイエスアイムアルーザー
 ヘイアイムアルーザー出口だ”
は、『at the BLACK HOLE』
「FALLIN'FALLIN'」“出口は入り口だ”に繋がっているね。
流石、PHOENIX吉井和哉
「ワセドン3」これも凄く嵌る!
モバ「お茶菓子のような一言」で、自分を
『嫌なことを思い出させるロッカー吉井和哉』と形容していたけれど、
正にその通りだ。
悲しい淋しい切ないっていう感情を全部一緒くたに溢れさせられるのに、
最終的には、全てが愛しいという温もりが残るような。
「PAIN」は、実に格好良い。
フェロモン撒き散らして草原を疾走する野生の男・吉井和哉
イメージなんだろう。
きっと強くセクシーな逞しさに憧れてるんだね♪
「Shine and Eternity」は、このアルバムの中にあってホッとする。
吉井和哉にとって、このL.Aでのレコーディングがどれだけ
大きな力と為っているのかが良く判る曲だ。
『シングルは森に仕掛けられた罠』と本人が言うとおり、
この罠に嵌っちゃった人は、これから吉井和哉の、
あんなとこやこんなとこを次々発見して、甘美な深穴へ堕ちていくんだろうね。
蟻地獄へようこそ!
「バッカ」
シングル候補曲だったと聞いて、納得の佳曲!
是非、PVを作って欲しい。
「WINNER」
アルバムの中で浮くのではないかと案じていたけれど、全然そんな事は無かった。
“始めから僕ら何もなかった
 続いている道で
 泣いたりした今日を忘れずに・・・・・・”

ギターの音色に泣かされた。
力強い曲だ。
「マンチ―」
エロい!LIVEで「始まった」思いっきりコールしたい。
「雨雲」
最初、タイトルだけを知った時には、どんなに暗い曲かと思っていたから意外だった。
“子供達から貰うものには色んな意味がある
 それを知らずに生きてるうちはまだ子供なんだね”

ハッとした。私もまだ子供だ。

“少しづつでも日の射す場所へ君とただ向かった
 I LOVE YOU I LOVE YOU”

何て切なく優しい“I LOVE YOU”だろう!
“夢が叶えば夢にだまされ雨雲広がって
 本当の夢を探すことこそ夢だとわかった”

雨雲が雨を降らせてくれるから虹も出る。
夢を抱く事が出来る事は、幸せなことだと思う。


『Hummingbird in Forest of Space』は、「吉井和哉」にしか出来ない音楽だ。
この先も吉井和哉は、作品を作り続けていくだろうが、
このアルバムは、ずっと聴き続けて行くだろう。
THE YELLOW MONKEY が活動休止してずっと吉井和哉の動向が掴めない頃、
2002-01-29生きている証を見せて!
『吉井さん、生きてますか?貴方にとって生きてるって事は、魂の叫びを
音楽に込めるって事ではなかったの?貴方の声を聴かせて下さい。』と、ここに書いた。
吉井和哉が生み出す作品でこんなにもまざまざとまるで息遣いが聞こえて来るように
「生きている証」に触れられる事は、本当に素晴らしい。
ありがとう!この時代に生きていられて感謝です!