ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

「VOLT」発売!

VOLT 初回限定盤【CD+DVD】

VOLT 初回限定盤【CD+DVD】

待ちに待った「VOLT」をようやく聴く事が出来た。
1曲目「ビルマニア」が鳴った瞬間、電流が走った。
シングル盤でもPVでも馴染んでいる筈なのに。
「フロリダ」の
“鳴っちゃったんだよ鳴っちゃったんだよ初めてなんだよ
 アメリカで本当のロックが鳴っちゃったんだよ”
は、
発売前にこの部分が雑誌に書かれていたのを目にした時には、
反発を覚えていたのだけれど、今日この「VOLT」全曲を
体感出来て、吉井和哉がこのアルバムで理想の音を
手に出来た喜びの大きさを理解する事が出来た。
おめでとうございます。
98年頃からかな、もう10年以上の長きにわたって、
THE YELLOW MONKEY後期から休止、充電、「YOSHII LOVUINSON」ソロ開始、
正式解散、そして「吉井和哉」としての活動・・・
ずっと試行錯誤しつつ闘ってようやく正真正銘の「吉井和哉のロック」と
胸を張れるアルバムに到達したのだね。
「ウォーキングマン
スペースシャワーTVの特別番組でちらりとこの曲を聴いた時から
気に為って堪らない曲だったけれど、想像以上に嵌った。
THE YELLOW MONKEYの頃の「血と酒と涙と男と女」を連想させるような
アダルトな妖しさがより深みを増して、全身を痺れさせてくる。
このギターは、吉井和哉自身が弾いているのだそうだ。
LIVEでどう魅せてくれるのだろう。怖いくらいに楽しみだ。
「ノーパン」
タイトルからは、想像つかなかった曲調だった。
“風鈴蚊取り線香とうちわ”で表わされる昭和ちっくな情景が
終盤に次元の境目に呑み込まれたようにサイケデリック
変貌していくのがとても面白かった。
「ヘヴンリー」
初めてラジオでこの曲が流れた時から思っていたけれど、
この曲は、「癒しと祈り」の曲だと思う。
切ないくらいに懐かしくて痛みが次第に癒されていく。
「魔法使いジェニー」
男に魔法をかけてくれる可愛い天使さんの歌かな。
男性の理想だわね♪
LIVEで“T.M.P!T.M.P!T.M.P!T.M.P!”盛り上がりそうだ。
「SNOW」
「吉井武道館」での出逢いから、ずっと心を離れなかった歌だ。
スノーボールアースの真っ白に凍った地球が
吉井和哉の作る音楽で歌声で核の部分から、ゆっくりそして鮮やかに
美しい色へと色彩を纏って行くような、そういう美しさを感じた。
「ONE DAY」
伸びやかな大きな力を持った曲だ。
闇や苦悩を乗り越えて来た男がこの「ONE DAY」という
安らぎの境地にたどり着いたんだね。
“迷わずにおじけずに 希望のストローク回せ”
“この願いが叶うといいな ずっと自分を信じているんだ”
穏やかに包み込んで勇気を与えてくれる希望の歌だ。
「ルビー」
『8』の「メロメ」で北国行きのバスに乗って
身も心も凍らせて仕舞った彼女は今、
“身体中燃えてる”くらい“濡れて咲いて”
艶やかに愛を歌っているのだね。
“ルビーの罠にハマって”
「ルビー」は、吉井和哉自身だそうなので、
生還おめでとう!
「またチャンダラ」
これが、現時点での吉井和哉のリアルなのだろう。
優しい曲調だけれど、本当は、一番何の技巧もはったりもない、
強さを持った曲なのだと思う。
“羽を広げていっぱい愛してます
 またチャンダラ またチャンダラ  
 またチャンダラ またさよなら”

この人は何度でもパラシュート開いて降り立ってくるんだね。
不思議だね。そしてまた「ビルマニア」へと続いて行くんだもの。
「VOLT」間違いなく、吉井和哉の最高傑作だと思う。
「VOLT」発売日である今日3月18日は、
中原繁さんの命日でもある。
THE YELLOW MONKEYが「JAM」で大きく飛躍するきっかけを作って下さって、
そして2000年3月18日の彼の訃報がTHE YELLOW MONKEYの最期の決断にも
大きく関わったとても大切な方だ。
天国にもこの「VOLT」の音が届いているだろう。
こんなに凄いモノを作れるようになったのかと
きっと喜んでいて下さると思う。