ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

「煩悩コントロール」考

バイナリードメイン」のゲームを実際にプレイしていないので、
吉井和哉が「煩悩コントロール」で何を歌いたかったのかの、
本当のところを理解出来てはいないだろうが、
自分の感じたままを書いてみようと思う。
極私的解釈だ。
歌詞については、「愛・哀コントローラー」にまとめた。

まず、『見えないコントローラーに繋がれ・・・無数の神の糸』
私達人間は、誰も皆、各自、目や耳や触覚で感じた事柄を
判断して行動しているのだと思っているけれど、
実はそれは、神というようなもっと大きな次元の存在が、
あらかじめ複雑に組み上げたシナリオを、
それと知らずにただ導かれて、「生きて」いるのではなかろうか。
そう、まさしく「コントロール」されているのではなかろうか。
人間と機械との違いとは、何だろう。
バイナリードメイン」には、
感情を持ち、人間のように思考するロボット=ホロウチルドレン
というものが登場する。
意志と感情を持ち、遂に子を孕むロボット、
それは、人類とは、どう違うのだろう。
私は、「魂」を持つか否かだと思う。
感情を持つロボット、それは、それぞれ受け取る情報を
あらかじめプログラミングされた人工知能で判断し、
細かな電流=感情をもたらしているのだろう。
そこに「個」、「自我」は、無いのだろうと私は思う。
自分自身の命、「種」としての存続を守ろうとする目的はあっても、
自分自身以外の他者を慈しみ、守ろうとする心、
誇り、祈り、そういう人間の「魂」は、ロボットには、持ち得ない
ものだと思う。
108の煩悩全てを与えられて私達人間は、この世に生まれて来た。
何も疑わず、コントロールされて「生きていく」存在。
だけれど、「僕」は、「未来の音で目覚めてしまった」。
だからすぐに向かわなくちゃいけない。
「新しい扉を開ける鍵」を見つけに行かなくちゃいけない。
本当の自分=109の煩悩を自覚して、受け入れた上で、
他者の「心の声」を聞くことが出来るように。
人は、脆く儚く切ない生きものだけれど、
それだからこそ、人の魂は、尊く眩く輝くのだろう。

そういうことを歌っているのじゃないかと思う。