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この羽よりも軽いもの?

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スーラ 光の詩人―イメージの森のなかへ

スーラ 光の詩人―イメージの森のなかへ

吉井和哉がリコメンドで紹介してくれているのは、
「イメージの森のなかへ モネ 水の妖精」の方だけれど、
「点描のしくみ」にちなんで、「スーラ 光の詩人」について。
まず無人のグランド・ジャット島の絵が登場する。
そして次のページには、はじめの絵と同じ場所、
同じ影つまり同じ時刻に40人もの人々が、様々な年齢、
職業、階級を構図や色彩、光と影でスーラは、
鮮やかに描き分けていることを説明してくれている。
そして彼は、「点描」をこころみはじめる。
「色や光の効果を正確にはかりながら」
丹念に丹念に。
大写しになった「パレード」に惹き付けられる。
31歳で亡くなった彼が最後の数年を共に暮らしたという
マドレーヌを描いた「化粧する若い女性」。
深い愛情というより静けさ、冷静な画家の目
というようなものを強く感じてしまうけれど。
『絵の静けさは色彩と線とかたちの調和から、
その調和は彼の秘められた豊かな内面からもたらされます。
そしてその内面は、謎です。』と
利倉隆氏は、書いておられる。
『そしてその謎を知るには、いくたびも彼の
点描の詩に耳を傾けるしかありません。』と。


素晴らしいご本を紹介して下さってありがとう。
少しずつ読ませていただきます♪