ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

「感じるだけでいい」

いつも私は、新しい曲を聴いたりPVを見たりすると、偉そうに
ああだこうだと沢山の言葉を並べてこの日記を綴っているけれど、
もう一度この「バッカ」PVを見ていたら、『吉井和哉が好きだ〜〜!』って
それで良いじゃないかと、ただ『溢れ出しそうなこの愛』を感じるだけで
それで良いじゃないかと思った。
銀河鉄道の夜」の第一稿から第三稿、最終稿について考えていて
次の文章に出逢った。
宮崎の賢治『農民芸術概論綱要』
「農民芸術の綜合」
……おお朋だちよ いっしょに正しい力を併せ 
われらのすべての田園とわれらのすべての生活を
一つの巨きな第四次元の芸術に創りあげようでないか……

まづもろともにかがやく宇宙の微塵となりて無方の空にちらばらう
しかもわれらは各々感じ 各別各異に生きてゐる
ここは銀河の空間の太陽日本 陸中国の野原である
青い松並 萱の花 古いみちのくの断片を保て
『つめくさ灯ともす宵のひろば たがひのラルゴをうたひかはし
雲をもどよもし夜風にわすれて とりいれまぢかに歳よ熟れぬ』
詞は詩であり 動作は舞踊 音は天楽 四方はかがやく風景画
われらに理解ある観衆があり われらにひとりの恋人がある
巨きな人生劇場は時間の軸を移動して不滅の四次の芸術をなす
おお朋だちよ 君は行くべく やがてはすべて行くであらう

ジョヴァンニが「銀河鉄道」の旅から帰って、
ひとりこの世の中の暮らしに向かって駆け出して行ったように
私もこの「バッカ」を見終えて、ひとつまた確かなものを
与えられた気がする。
おめでたいかもしれないけれど、そう感じられる事は、
とても幸せだと感謝した。