吉井和哉の新曲「○か×」がデジタルリリースされた。
前作「みらいのうた」が優しく切ない曲調だったのとは対照的なロックチューン。
前作に続き、現代美術作家・興梠優護が担当した配信ジャケットは、
吉井和哉本人の手をモデルに描き下ろされたのだそうだ。
吉井和哉の手は、塑像にしたい程に美しいけれどその掌には、傷痕があるのだよね。
『○か×という対極にある選択肢は人生において表裏一体というテーマ』
だそうだけれど、この手のジャケットだけでも現れているのだね。
そしてMV。
映像作家の田辺秀伸が監督を務めたこのMVでは、
『“人生”という概念を擬人化した2人の男性の物語が描かれる』のだそうだ。
善か悪か、光か闇か、美か醜か、喜か悲か、対極的な二つの魂が時に相反し、
惹かれ合い、物語を紡いでいく、人生そのもののように感じられた。
バス停のベンチに座る吉井和哉が渋くて良い。
若かりし頃の絶世の美貌が今は、皺も滲みも増えた枯れた風貌だけれど、
重ねた年輪が趣を増してイイ貌だなあと思った。
「○か×」吉井和哉
失ったあの日から 運命の内側に
小さな棘が刺さっている そして今日も生きている
自分試しの恋に 僕は明け暮れた
強まるゲリラ豪雨の中で走ってた
これじゃない
明日になってわかるような 答えなんてどうでもいいさ
愛ならそれが愛なら
くれよくれよ 当たるまで
○か×かで 決めてばっかり
やりたいことをやり過ぎて
△だらけの人生
あれは本気 これも本気
飛び込む先は 泥でした
長いところを伸ばしなよと言うけれど
短いところを長くすればいいのになと
思わない?
飼い慣らされたケモノなら どこでだってやってけるさ
いいならそれでいいなら
食えよ食えよ 餌をくれ
牙がポッキリ
誰かの真似で増えただけの○なんか
いつかは巨大な×の中でひしめいた
ビー玉
誰もがそれを正しいって 言えるような答えはないさ
勇気が それがないなら
消えろ消えろ あの世まで
あなたがそれを美しいって言えるなら それでいいさ
さいならそれじゃさいなら
夢よ夢よ 果てるまで
○か×かで 決めてばっかり
捨てちまったら 全部すっきり