ROMANTIST TASTE

この羽よりも軽いもの?

飛ぶ夢

YOSHII LOVINSON 3rdシングル「トブヨウニ」 7月28日発売だそうです。
まだ2ヶ月半近くも先だ。待ち遠しい!
「トブヨウニ」・・・何故カタカナなのだろう?
飛ぶ?跳ぶ?翔ぶ?
ふと、先日観た山田太一の小説「飛ぶ夢をしばらく見ない」を
映画化したという映画を思い出した。
雪の北陸線で起った列車事故で負傷した細川俊之扮する中年男が、
偶然同室になった女性と顔も見ぬまま、不思議な一夜を過ごす。
言葉だけの遣り取りがとても艶かしくて・・・翌朝、衝い立ての向こうに
居たのは白髪の老女だったけれど、次に出合った時彼女は、
40代、20代、そして10代と次第に若返って行く。
会社にも家庭にも全てに疲れ切っていた男性は、ミステリアスなこの
女性石田えりにのめり込んで行く。
世間の目を逃れ少女との愛の生活に溺れた日々は、やがて男の逮捕で
終わりを告げるが、落ちぶれ果てた男の前に彼女が5.6歳の幼女の姿で現れる。
もう離さないと誓う男に彼女は、
「最後の時が迫っている。このまま静かに逝かせて。」と願う。
「楽しかった。ありがとう。」と告げて、ゆっくりと雑踏の中に
消えて行く少女とそれを万感の思いで見送る男の姿が
とても印象的な映画だった。
表題の「飛ぶ夢をしばらく見ない」は、
”とぶゆめ”をしばらくみない
 といふはなしをしたら その夜
 ひさしぶりに”とぶゆめ”をみた
 吉原幸子「ゆめ」が元に為っている。
憂鬱で退屈な日常からの離脱?
思うようにいかない現実からの逸脱?
前にも書いたけれど、吉原幸子『夢あるいは・・・』
http://www.mypress.jp/v2_writers/sapphire/story/?story_id=168039
私は空を自由に飛ぶ夢をみた記憶が無い。
映画の主人公達のような幻想的な出来事が我が身に起こる筈も無い。
せめて夢の中だけでも、飛ぶ夢を見たい。
LOVINSONは、飛ぶ夢を見るのだろうか?